ブラウニーのトリア
絶対に代えの効かない装備か、後数百年は国庫を潤すことのできる宝か。
そこまでなら悩みどころだが今回の戦での出兵を約束に入れることで後者に天秤を傾けた。
「別に今すぐ返事を出せというわけじゃありません。ロメイア、このスクロールを使え」
「これは?」
「アイテムボックスの魔法のスクロールだ。俺は鎧と剣がどうしても欲しい。だからロメイアには剣と鎧、俺はこの財宝をアイテムボックスに入れる。これで俺はそっちが剣と鎧を持ってるから財宝を持ち逃げできずロメイアたちは俺が財宝を持ってるから俺から剣と鎧を強制的に没収できないってわけだ。もちろんそちらが剣と鎧を選べばアイテムボックスの中身はそのまま」
「ダーリンは頭いいのー」
ロメイアは素直に俺に感心するが後ろの家臣たちは苦い表情。
ふん、そう簡単に二兎を得れると思うなよ。
とりあえずそこで場は解散して、ロメイアに剣と鎧を渡して、俺は財宝をすべてアイテムボックスに収めて貯金箱を出ると、扉は自動で閉まった。メーターは真っ黒になってる。
しかしアイテムボックスの容量の底が見えない。多分この魔法、この世界のじゃなくてMade in縁先輩だな。
あの人の事だから容量無限でも驚かない。
何となくアイテムボックスの中を見てると、アイテムボックスのスクロールがあった。
俺のと見た目がどう見ても違うので予想はあってるっぽいな。
「あのー、ユースケ殿」
城に戻ってる途中、ブラウニーの家臣が俺に声をかけてきた。
俺の記憶が正しければ歴史関連の大臣だ。
「何でしょう?」
「実はお願いがありまして。財宝の一部を見せていただけないでしょうか?」
ブラウニーのトリアが言うには財宝の中に、ぱっと見ただけでも長い歴史の中で紛失したと記録されている芸術品などがあったらしい。
ほぼ確実に妖精族側に財宝が渡るだろうが待ちきれずに俺に直談判しにきたそうだ。
「構いませんよ。では俺の部屋で見せましょう」




