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鎧と剣をもらう交渉

 ロメイアたちは俺が入れた財宝や、以前から入れられていた宝の山の前で騒いでいた。

 いや、騒いでいるのはロメイア以外だな。


 貯金箱を開けられたら俺の欲しいだけの中身をあげちゃうって約束しちゃったし、なにか入ってるのか分からなかったから開いた瞬間まで開いたことと中身に驚いていたが冷静になって、俺とロメイアとの約束を思い出して焦りだしたんだろう。


「剣と鎧は今気配を消してるな?出してくれ」


 妖精の剣と鎧が気配を出した途端、ロメイアたちはばっと俺のことを見た。


「ダーリン、妖精の剣と鎧なの?」


「ああ。剣がどうしてここにあったかは分からないが約束したよな?こいつらは俺が貰う」


「んー、分かったの」


「ふざけるな!その剣と鎧は人族の、ましてやダンジョンマスターの持っていいものではない!」


 ロメイアが承諾しようとしたのを遮ったのはシャクリーン。

 シャクリーンを皮切りに何人かの家臣たちも意義を申し立てた。


「妖精の剣も鎧も妖精族の宝ですぞ」


「悪を討つための力をダンジョンマスターに渡してしまえば、いざという時に誰か立ち向かうのですか!」


 軍事関係のフェアリーとドワーフの家臣がそういった。

 たしかに彼らは正しい。俺が集める理由の中で最も大きいのが人間たちの俺への脅威の排除だから。他は面白そうとかかっこいからっていうしょうもない理由だがな。


「それにニアラの存在がある以上戦力は多いほうがいいでしょう」


 鎧だけならともかく剣があれば、ニアラの魔法無効のモンスターに対して大きく攻勢に出ることができる。

 それがわかった他の家臣たちも口をはさみ始めた。


「でも約束したの」


「しかし」


「そもそも妖精シリーズの装備は邪悪なものには使えないの。ダーリンを見るの。ちゃんと装備しているの。使えてることがダーリンが悪い人じゃない証拠なの」


 うーん、ノーコメント。

 ロメイアの言葉でそういえば!って顔しないでくれ。心が痛む。


「どうしてもと言うなら鎧と剣を差し上げてもいいですよ」


「本当ですか!」


「ただし、他の宝は全て貰います。逆に剣と鎧をくれるのなら、他の宝はすべてそちらにあげます。更にニアラとの戦いでは俺が先陣をきり、エスリメからも兵を派遣します」


 俺の出した条件にシャクリーンたちはゴクリとつばを飲み俺と、正確には俺の付けている鎧と剣と宝を交互に見て唸った。

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