鎧発見
「バカな!」
「今までどんな者も封印を解けたことがなかったのに……」
「あわわわわ、今まで開いたことが無いのが売りだった観光資源が……」
驚きの声を上げる家臣たちの中で、インプの男とノームの女性が足をガクガクさせて震えている。
確か観光大臣的な仕事をしてる人と財政を担ってる人だな。すまん。ドンマイ。
貯金扉の中に入ると金銀財宝アダマンタイトの山でいっぱいだった。
財宝はアダマンタイトよりも価値が低いのでメーターは少ししか光らせてないが量はほとんど同じだ。
アダマンタイトを使っていなかったら多分扉を開けた瞬間に外に溢れ出てきただろう。
俺に続いてヴァイオレット、ロメイアたちが入ってきて、家臣たちは恐る恐る続いてきた。
どこまでも宝の山、いや海だな。奥が見えない。
おーい、妖精の剣。迎えに来たぞー。
『主殿、ひどいですぞ。急に放り込むのですから驚きました』
分かった分かった。ちゃんと鎧を見つけたか?
『やはりそれが目的でしたか。ちゃんと見つけて主殿のことを言っておきましたぞ。逆らうとどうなるかも』
で?服従か反抗か?
『もちろん服従です。誘導するので来てください』
妖精の剣の案内に従って貯金箱の奥へ行くと、妖精の剣とそれに似た意匠の鎧があった。
「お前が妖精の鎧か。これからよろしく」
『よ、よよよよよよ、よよよよ』
鎧はひたすらよを連呼している。バグってんのか?
『よろしくお願い致しますだ』
『よろしくお願い致しまままます』
鎧の声はまだ幼い少女のような声だ。
剣より後に作られたと以前言っていたのだが妹ってことか?
『申し訳ない。どうやら主殿のことで脅かし過ぎたのやもしれません』




