ダンジョンマスターの影
翌日起きると、朝食だとメイドさんたちが呼びに来た。
昨夜は食事に毒大盛りだったから、アイテムボックスにあったカップ麺で済ませたが今日はどうなってるだろうか。
「おはようユースケ」
「おはよう。よく眠れたみたいだな」
ヴァイオレットはまだ寝ぼけているみたいだ。
なぜなら彼女はパジャマ姿で髪も寝癖で爆発していて口にはよだれの跡がついている。
少しして正気なったヴァイオレットが顔を真っ赤にさせて俺にビンタを食らわせて、身だしなみを整える為に部屋に逃げていった。
何故叩く?
ヴァイオレットはまだ時間掛かりそうだから女性陣もだろう。
俺は服を着替えて簡単な準備だけした野郎衆で先に行くことにした。
「流石に今日も毒もられることは無いよなー」
「一回見破られたんだからもうしないでしょう」
ジェイと話しながら歩いていると、横からソランが耳打ちしてきた。
「ユースケ様、昨日のうちに調べたことを報告していいでしょうか?」
「おう」
ソランによると、やはりダンジョンマスターの一人がロメイアの命を狙って、2ヶ月間モンスターをおくりつづけてきているらしい。
ソランは調べられなかったがロメイアの家臣たちは、ダンジョンマスターが何者かがわかっているようだ。しかし、対処しようにもどのダンジョンなのかが分からず手をこまねいていたところに俺たちが来たそうだ。
よく一晩でここまで調べられたな。
「流石だな。ご苦労様」
「ありがとうございます」
結局ソランの予想通りだな。こいつ有能すぎる。
さて、食事処に着いたぞ。昨日と同じテーブルの上には高そうな料理が並べられている。
鑑定!…………おお。毒無し!
「おはよう」
「おはようなのダーリン!」
俺はロメイアを促されて昨夜と同じく彼女の後ろに座った。
すると、シャクリーンたちが俺に頭を下げて謝罪してきた。
襲ってきているダンジョンマスターの仲間ではないかと疑って、ロメイアを守るため先手を打とうとして焦ったらしい。
「大丈夫です。あなた方はただロメイアを守りたかっただけなのですから。あなた方の忠義を深く尊敬します」
形だけの仲直りをしたところでヴァイオレットたちが来て、やっと料理に手を付けることができた。
しかしまだシャクリーン含む数名は俺たちを警戒しているようで、チラチラとこっちを睨んでくる。
まあ、もう直接命を狙ってくることは無いだろう。




