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どちらにしても迷惑

「ロメイアも行くのー」


「ロメイア様はこちらで留守にしている間に溜まった仕事です」


「なのー!」


「ロメイア様を助けていただいてありがとうございます。私は外交を担当しているシルフのレジムと申します」


 案内されて廊下を歩いているときに唐突に自己紹介をされた。

 シルフはエルフに羽が生えたような種族だ。

 彼らは妖精族の中で最も早く飛ぶことができる。

 羽の構造が風を掴みやすいらしい。


「いえ、偶然通りかかっただけです。気にしないで下さい」


「偶然、ですか……」


「何か?」


「いいえ、何でもありません」


 絶対に何でもないこと無いだろう。明らかに何か含みを持った言い方だぞ。


「俺たちは世界中の様々な種族の生活、文化を見て回る旅をしている最中だったんですが……いつ解放していただけるのでしょうか?」


「逃げるのなら、ロメイア様に納得してもらってください。あなたも妖精王と敵対する意味は、わかるでしょう?」


 ロメイアに気に入られたのが運の尽きってことか。

 だったらもう前向きに考えていこう。妖精の鎧と盾の情報を聞くことができるからちょうどいいじゃないか。

 城に入れてもらえたんだからあとは適当な人に聞くだけ、簡単じゃないか。


「それと一つ忠告を。我らはロメイア様を敬愛しております。中にはあの方を思うあまり、近づく男を亡き者にしようとする過激派もおりますので、暗い所では一人にならないことですな」


「俺を殺すとロメイアが哀しみますよ?」


「今は哀しくとも、後のロメイア様の為になると考えれば己の命を喜んで差し出せるのが妖精族です」


 妖精族怖い。

 俺が顔を少し青くしたのを見て、レジムはくすりと笑った。


「逆に私のようにあなたとロメイア様を応援する者も少なからずいるのでご安心下さい」


 どっちにしても俺には迷惑なんだよ。どうしたもんか。

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