ロメイア、正論を言う
「皆、ダーリンのこと知ってるの?」
金平糖を頬張りたいからかフェアリー形態になったロメイアがのんきに言った。
「ロメイア様、こ奴らは先日、神聖国ウォルテニアと戦争をしてかの国を滅ぼした国の者たちです。ダンジョンマスターです。危険ですからこちらに来てください」
「んー、神聖国ウォルテニアをやっつけたんならいい人たちなの」
ロメイアがまさかのド正論を言ったため、どちらも口を閉じる。
しばしの沈黙。
「それにさっきはモンスターから助けてくれたの。命の恩人なの」
「しかし……」
「お客様と旦那様なの」
ロメイアが少し声を低くした。怒ってんの?
そんなロメイアの命令にこれ以上抵抗できず、大人しく兵を引かせ一応の謝罪をしてきた。
「申し訳ない。して、あなた方はなぜこの城へ?」
「俺たちも自分の立場は理解しているので気にしないで下さい。そもそもロメイアに連れて来られなければここまで来ませんでしたから」
「でもダーリンと」
「勝手に言ってるだけです」
「違うの。ダーリンとロメイアは結婚するのー。絶対に返さないの」
「こればっかりで」
俺の頭にちょこんと座ってワガママ言いたい放題なロメイアにため息をつくと、臣下の一人のシルフの男が手を上げて発言した。
「ロメイア様がそこまで言うのなら城に滞在して頂きましょう。お部屋にご案内致します」
「あ、そうなるの?」
この人らは基本的にロメイア優先だから俺たちの都合は考えてくれないようだ。
逃げだせば妖精族全てが追手になるだろう。ここは大人しく従っておこう。




