妖精王ロメイア
フェアリーの声に気づいた皆が彼女を見る。すると、イーナ、ジェイ、ソフィア、フィー、ピクリナの妖精族5人があんぐりと口を開けた。
「妖精王様!?」
はぁ?これが妖精王だと…………フェアリーのロメイア、あっ、確かにそんな名前だったな。
「エルフにドワーフにフェアリーなの?それに天使に獣人に魔族…………変わった組み合わせなの」
ピタリとロメイアは止まり、訝しげに馬車の面々を見た。
王様ならこの面子に危機感を感じて逃げてくれるか?
「さっすがダーリン!顔が広いの」
馬鹿かこいつは!
もうちょっと王として自分の安全を確保しろよ!こんな多種族混成の集団怪しさしかないだろう。
そして思い出したかのように金縛りし直すな!
「ユースケ様、一体どんな状況ですか!?」
「俺が知りたいわ!」
「様?お友達じゃなくて家来なの?私と同じでダーリンも偉いの」
まさしくカオスだ。
各々が自由に発言するからまとまらない。
……あれ?
「イーナ、お前フェアリーだよな?」
「はい」
「なんで二人は体の大きさがそんなに違うんだ?」
イーナは俺たちと同じ成人サイズだ。しかし、ロメイアは掌サイズ。ロメイアの方が俺の中のフェアリー像に近い。
そもそもイーナがフェアリーだって気付かなかった理由もそれだしな。
「フェアリーは変身する種族なんですよ。今の私は力をセーブしている状態、そしてこちらが……体内に分散している力を凝縮した状態です」
イーナの体が光りみるみる小さくなっていき、ロメイアと同じ掌サイズになってアキトの肩に乗った。
「ただ、こちらは常に魔力を消耗するので私が連続して変身できる時間は3日が限度です。ウ〇〇ラマンみたいなもんですね」
その例えでいいのか?




