戦勝の報
Side旅雄亮
温泉につかってのんびりしたりして旅の疲れを落として続報を待っていると、一日も経たないうちにスライムからエスリメの勝利の報がきた。
「エスリメ勝利。被害は軽微だってよ」
「おお!」
「やったわね!それにしても一日も経たないうちに決着がつくなんて、一体どんな戦い方をしたのかしら?」
俺はどのようにしてエスリメが勝ったのかをマスターたちに伝えると、なるほどと言って納得していた。
「裏切りを誘うなんて、ダンジョンバトルしか経験の無い我等では思いつくのは難しいですね」
ダンジョンバトルは互いの駒がマスターをどうやっても裏切れないからな。
「勇者を味方にしたら人間に敵はいませんね!」
「いや、世界には隠れた強者はいくらでもいる。第一セランの暴走姫が居るだろう。それに勇者の中で一番若いやつは人質救出のために手を組んだだけみたいだしな」
人を殺すのダメゼッタイ!って性分らしい。
そりゃダンジョンマスターとは合わないな。
「何はともあれ勝ったんだ。祝勝会するぞー!」
「え、我々は今回何もしてませんが」
「自分の国が勝ったんだ。祝っても構いやしないだろ」
もう一人の俺の手柄即ち俺の手柄。
エスリメの俺の勝利=俺の勝利だと言っても過言ではないと言って真面目な連中を言いくるめてその日は翌朝まで飲んで祝った。
■□■
更に温泉を楽しみ十分に落とした俺たちは旅を再開した。
ソフィアたちの村にも寄ったことだし、妖精族の大陸は後は適当に色んな種族の生活や文化を見て回ろうと思う。
「ジェイ、この剣以外でチート性能の武器や防具ってこの大陸には無いのか?」
もちろん旅の途中で追加された他人に取られるとやばい装備探しも継続するぞ。
「そうですね……言い伝えでは、妖精の剣にはセットの盾と鎧があるとされています」
「私はこの大陸のどこかにあると噂で聞いたことがあります」
妖精シリーズってところか。全部着けたらセットボーナスでもあるのだろうか?




