二回目のパーティーへ
『子供たちよ。目を瞑りなさい』
目を閉じて開くと、以前と同じ庭園へ移動していた。
周りには先程まで一緒にいた同盟のダンジョンマスターとコアたちがいる。
「来ることができたか。ヴァイオレットたちを探そう。あっちがどうなっているかが気になる」
庭園を抜け、パーティー会場へ行くとヴァイオレットたちが既に到着していた。
あっちには俺の姿は見えない。
「ヴァイオレット。そっちの俺は?」
「来てないわ。そもそも父の言葉も聞こえなかったみたい」
俺が呼ばれてあいつが呼ばれない。
俺とあいつの違いはダンジョンにいたもしくは、コアちゃんの近くにいた。
ダンジョンに、より関わってる俺の方がダンジョンマスターと認識されたんだろう。
「なんにせよあいつと強制で対面しなくて良かった」
しばらくヴァイオレットたちと近況を報告し合った。彼女たちは今、妖精族全ての王。すなわち妖精王によって城に招かれているらしい。
特に俺が妖精王に気に入られていて、旅を再開しようにも妖精王の怒りに触れないように別れないといけないため難儀してるそうだ。
「へっ、ざまみろ。俺にだけ仕事押し付けた罰だ」
俺が馬鹿にしたように言うと、一人のダンジョンマスターが俺に諫言してきた。
「ユースケ様、あのユースケ様もそれなりに苦労しています。悪く言うのは控えて頂けませんか」
俺に諫言してきたのはソランだった。
俺の記憶ではソランは俺が何しても褒めるだけだったのに初めて注意された。
「主を貶すのは主であっても許さないか。すまんなソラン、俺が悪かったよ。それとお前の忠義を嬉しく思う」
「はっ、無礼を許して頂いた上にそのようなお言葉を頂き恐縮です」
そう言ってソランは下がった。
ヴァイオレットを除けばうちのマスターで一番ランキングが高いのはソランだ。彼の姿を見て他のマスターたちも俺に対する忠義の在り方は何かを学んでいる。
主が間違ったことをしたら止める。
それも配下の務めだということをソランは皆に示したんだ。




