帰宅
「あー疲れた」
戦後の諸々の処理を終えた俺は児童保護施設の隣に建てた俺の家へ帰った。
「ただいまー」
「おかえりなさいマスター」
「だぁい」
「おおサティ、パパにお帰りしてくれるのかい?」
俺がサティに頬ずりすると小さな手でペチペチと叩いてきた。
照れ隠しか?可愛いいやつめ!将来が楽しみだ。
子どもたちは隣の児童保護施設で寝起きしているが、赤ちゃんたちは俺の家にいる。
そのせいか俺の後継者はこの子たちの中の誰かだという噂も流れている。
サティを抱っこしてコアちゃんとベビールームに入ると、寝ている子以外が障子が空いた方を見て俺だと分かるとにぱって笑った。
「ああ、かわいーなーもー」
いつの日か忘れたが、ベビールームから脱走して読書中の俺の隣にいた時とか可愛い過ぎて死ぬかと思った。
もうそろそろ離乳食の子も居る。この子たちが成長するまでにもっといい国にしなければならないな。
赤ちゃん成分を存分に堪能して眠かったのを思い出したので、自室に戻って少し仮眠した。
目を覚ますと、隣でサティが寝ていた。おかしいな、ちゃんとみんな寝かしつけたんだが……。
コアちゃんは俺の代わりに孔明と仕事してるし、もしかして自力で来たのか?
まあ、家は和風建築だから赤ちゃんでも戸は開けられないことはない。
それに自室とベビールームは隣だし。
ん?それだと他の子が外に脱走した可能性は⁉
…………いやいや大丈夫。一応門の外には警備のヒューマンスライムが詰めている。
などと考えているとすやすやと寝ていたサティが目を覚ました。
そして無邪気に口を大きく開けて笑う。
可愛え!うちの子可愛え!
「サティちゃん、自分で来ちゃったの?」
「うー?」
「パパと一緒に寝んねしたかったのかなー?」
「んー」
他にも起きた子がいるのか、ベビールームで物音が鳴って少しすると他の子たちもハイハイしたり、這いずって俺の部屋まで来た。
「もうみんなここまで来れるようになったのか。子供の成長は早いなあ」
ぐずり始めたサティを抱っこしながら俺はしみじみとつぶやいた。