戦後処理
「まずは勝利報告を国民にしましょう。中継は見ているでしょうが、あなたの口から発表することが国王の役目ですよ」
俺の勝利報告の放送後、出入国規制を解くとエスリメはお祭り騒ぎになった。
俺もそれに交わりたいところだが、まだやらないといけない事が山積みだ。
まずは戦犯のウォルテニア王たちの処刑。
ここで王たちの処刑後、国民たちも同罪だと殺そうとしてくる魔王的行動をする俺と、それを止める為奇跡の生還を果たした勇者たちとの死闘という茶番をして最終的に俺が勇者たちを認め、ウォルテニアの統治を任せる結末に持っていった。
ウォルテニアの国民たちは、邪悪なダンジョンマスターから命がけで自分たちを守ってくれた勇者たちの統治を望んで受け入れ、国名を変えてただのウォルテニア国として新たな一歩を踏み出した。
そしてウォルテニア軍の始末だが、彼らを開放してしまうといくら口止めしても、茶番が嘘だとばれるのは時間の問題なので国に返してやるわけにはいかない。
扱いに困ったが、結局そのままの命令系統で再編成してエスリメ軍人間部隊として働いてもらうことになった。
他種族共栄国家の軍隊がモンスターばかりなのは前からどうかとは思ってたんだ。
家族に会うことができないのは悲しんでいたが、敗軍の待遇としては破格なのでおとなしく従ってくれた。
今はマスターソードの指導でモンスターとの連携訓練をしている。
ウォルテニアがエスリメの属国扱いになってるので、ウォルテニアの属国だった国々もエスリメの属国ということになる。
元の国を管理していた奴らは処刑してしまったので、頑張って生き残っていた元王族や公爵家の人間を探して旧臣を呼び戻し、彼らにゴーレムを預けてマスターたちをエスリメに帰還させるのが一番長くかかった。
どの国も上手いこと王家の血が生き残ってくれていたお陰でこちらからは兵力だけを提供するだけで良いのは幸いだった。