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勇者入国

 冷たい言い方だな。だけど冒険者は冒険しないって言うし、慎重であることが何より重要だろう。

 うちのダンジョンごときで死ぬってことはこれから冒険者として生きていけないということだから。


「だけど、全部こちらに返していいのかい?結構性能のいい物もあるけど」


「いや、俺の兵はアダマンタイト装備が標準だから」


「恐ろしい国だね。仕官は来ているのかい?」


 うーん、文官志望も武官志望も全部孔明に任せているからなぁ。

 そういえば前に学がなってないから全員学校送りだ!って怒ってたような。


「まあぼちぼちと。現状人よりヒューマンスライムの方が使えるからなあ」


 専門書を食わせたら2、3日で完璧にこなせるようになるし、スライムだからアダマンタイトスライム装備との相性も良い。


 効率だけを重視すらなら仕官希望者を強制的に全員捕食させてヒューマンスライムにさせるのが良いだろうけど、流石に人の道から外れすぎてる。

 自分から食われたマスターソードが例外なのだ。


「もう一つはダンジョンに休憩エリアを作ろうと思うんだ。所々に魔力回復機を置くからその周囲を。どうかな?」


「ダンジョンマスターがダンジョンの難易度を下げるだなんて……まあこちらは助かるが。冒険者に気を使わないといけないなんて国王兼任は大変だなあ」


「俺も早く王様なんて辞めたいよ……どっかに後継者でもいないかなぁ。最悪簒奪者でも良い。喜んで玉座を譲ろう」


「おいおい」


 ブツブツとぐちを言っていると、俺のスマホが鳴った。

 この着信音は老師だ。


「老師、どうした?」


『勇者が入国して来ましたのじゃ。それも三人』


 人類最強戦力が来ちまった。

 リードに断りを入れて俺はすぐに老師と合流。

 話を聞くと、身分を隠して来たそうで入国審査で止めて暴れられても困るからヒューマンスライムの尾行を付けて入国させたらしい。


「暴れに来た訳じゃなかったから通しましたが、大丈夫かのう?」


「老師の判断は正しいよ。恐らく転移の座標設定の為に来たんだろう。座標設定自体は誰でもいいけど、神聖国では勇者を研究して勇者無しで転移魔法を使えるようになったらしいからな。だからこんな捨てごまみたいな使われ方されるんだ」


「敵ながら哀れですのう」


 全く、勇者を捨てごまだなんてどんな神経してるんだ?

 それに軍隊を街のど真ん中に転移させるつもりだったのかよ!碌でもない国だな。


「どういたしますかの?」


「心配するな。孔明がプランを作ってある。俺は動くからマスターソードに伝えてくれないか?戦争の準備をしろってな」


 俺は勇者を尾行しているヒューマンスライムと連絡を取り、合流するために走り出した。

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