あの策略の真相
建国式を見終わった俺たちは旅を再開した。
今のところ妖精族の中で勧誘したのはウンディーネとドワーフ。
次に行く場所は。
「やっとエルフの村か。ピクリナたちの家族がいる村だな?」
「うん。みんな家族」
村丸ごと移住してくんないかな。
見た目華やかなエルフが住んでくれたらエスリメももっと賑わうのに。
「全員エスリメに移住してくれないかなあ」
「流石に森がないと駄目じゃないですか?」
んー、そんなもん農業区画にちょちょっと植えればいいだろう。
あっちの俺は地味作業好きそうだし。
うん、声かけるだけかけてみるか。
俺はそんなことを考えてるので気づかなかったが、この時ジョーカーとシースナは深刻そうな顔をしていた。
あ、ジョーカーは仮面だろうってツッコミは無しな。
村に着いた俺たちと、迎えに出てくれたエルフたちが見たものはジョーカーとシースナの土下座だった。
以前俺とのダンジョンバトルで彼らを人質にとったことの謝罪だ。
ジョーカーとジョーカーの同盟に入ってたシースナは馬車でこれをすると決めていたらしい。
「いえ、気にしてませんよ。あの程度のモンスターなら普通に倒せますし」
「え?」
「お兄ちゃん!どういう事⁉」
フィーの兄曰く、ジョーカーの見掛け倒しモンスターのことを見て、あまり強くないことを見抜き暴れる様子もないので放置していたらしい。
それをジョーカーは上手く行ったと勘違いして、ソフィアたちも家族が抵抗してないので本当に人質に取られていると思ってしまったようだ。
そういえば、助けに行かせたヒューマンスライムが全く感謝されてなかったな。
うん、これは事故だな。