グランドマスター
最後に来たのは冒険者ギルドのグランドマスター。冒険者ギルドのトップだ。
彼は31才とダルシメンの首長よりかは年を食ってるが、なかなか若い。
「私はリード。君のことはジェノルムからよく聞いてるよ。かしこまらずに普段通り楽に話そう」
「…………そういう事なら。エスリメはどうだ?」
「最っ高!飯はうまいし、文化も沢山。風景も故郷を思い出すよ」
「それは良かった………………ん?」
俺は慌ててリードを鑑定し直すが、やはり特に変わったことは書かれていない。
孔明のことがあるから勇者かもと思ったが、それも違う。
「こ、故郷の名前は?」
「日本。君や孔明と同じだと思うけど?」
「……勇者じゃないようだが?」
「あー、相手の素性を探る能力でもあるのかな?それじゃあだめだよ。私は転生者だからね。正体も明かしたし、そんなに警戒しないでくれよ」
異世界召喚があるんだから異世界転生もあるのか?
なんにせよなんだかんだで分からなかった謎が解けた。
相手の出身地や住所、家族構成やエスリメに来た目的なら分かるが、生まれる前までは流石の鑑定様でも分からないからな。
「孔明はともかくどうして俺も日本人だと思った?」
「名前見たら分かる」
そうだったー。こんなことなら偽名でも使えばよかった。
「ジェノルムが携帯みたいなもの使ってた時からおかしいとは思ってたけどね」
「…………何が目的だ?」
「君の目なら分かるんじゃないのかい?」
リードのエスリメに来た目的は文化を思う存分体験する。
「漫画、音楽、小説、ゲームってところか」
「フッ、大正解」
くっそ!腹立つなこいつ。
思わせぶりなこと言っといてただ遊びに来ただけかよ!




