エスリメのギルドマスターは
「ほう。ついに建国か!俺も式に行っていいか?」
そういえばジェノルムにはエスリメを見せたことはなかったな。
盛大に建国宣言をして驚かせてやろう。
「もちろん。そのことでいくつか頼みがあるんだ」
「何だ?…………そういう事なら俺も知り合いのギルドマスターや冒険者に声をかけておこう」
ジェノルムには彼を慕っている高ランク冒険者が多いからな。
高ランク冒険者がエスリメを気に入ってくれてホームタウンにしてくれれば万々歳だ。
「エスリメにも冒険者ギルドを作りたいんだけどどうしたらいい?」
「場所さえあればギルドマスターと職員を派遣するだけでいい。もう人選は済ませている」
「へえー、ギルドマスターって誰?」
「俺」
「え?いいのか?ここはどうするんだ」
ジェノルムはこの街のギルドマスターとして長く勤めている。
それが居なくなったら大変じゃないのか?
「後任はすでに選出している。信頼できるやつだからすぐにでも行けるぞ」
仕事が早いな。それだけ冒険者ギルドもエスリメを重要視しているということか。
まあ、わけ分からんやつが来るより気心しれてるジェノルムが来てくれる方が楽でいいか。
「そういうことだからよろしく。いい場所用意してくれよ」
「ああ!一等地用意してやるよ」
「だー!」
「ところでその子たちは誰の子だ?」
俺はジェノルムに説明した。
いい加減疲れたなこの作業。
「はっはっは、ダンジョンマスターが人間の赤ん坊を育てるか。まいいんじゃないか。だけどなんでここまで連れてきてるんだ?」
「人手が足りないのもあるけど、赤ちゃんのうちからいろんな所に連れて行って好奇心の強い子に育ってほしいんだ。好奇心の無い人間はつまらないからな」
「前に渡された資料で読んだが、お前の国は何もかも高水準だが、特に教育はずば抜けている。お前の国民は幸せだな」
「移民募集してるから広めてくれよ」
「それは自分でやれ」




