子育て助っ人
Side留守番雄亮
子供たちが来てからしばらくすると、今度は厳つい男たちが大勢やってきた。
一体もう一人の俺は何やってるんだ⁉
「えっと……バチョウだっけ?この強そうなお兄さん方は何?」
「はい。海賊たちなのですが、指名手配されていなかったので労働力として使えとのことです」
あの野郎今のエスリメの住民どうなってると思ってんだ!
子供と海賊が殆どになっちまったぞ!男女比おかしいことになるだろ!
「うー」
「あーはいはいユーミちゃんミルクでちゅよー」
「んっんっ」
最近名前付けてないことに気づいて、慌てて名前を付けた赤ちゃんたちの世話で俺は忙しい。
その上コイツラの面倒も見ろ?ふざけるな…………おや?
「ねえ君、ちょっと手伝って」
「なっ!お前どうしてここに!」
「つべこべ言わない!」
俺はミルクを飲ませていたユーミを2メートルはあるだろう大男に預けて哺乳瓶を渡した。
「あ、おっとっと……あーよしよし」
鑑定で見たところこの男、子供好きだ。
海賊をしていた理由も貧しい子供たちを保護して育てる為だったようだ。
所謂義賊ってやつだな。
「他の海賊たちには街の説明をして部屋を与えろ。ギランは俺と来い」
ヒューマンスライムに任せて俺は大男改めギランを連れて児童保護施設に戻った。
「おい、何であんたがここにいるんだ?」
「ん?ああ、外の俺のことか」
「外の?もしかして分身でもできるのか」
察しが早くて助かる。俺は頷いた。
鑑定を使ってないらしいのに外の俺はよくこんな人材捕まえたな。
今俺が最も欲しているナンバーワンだ。
才能があるのだろう、こんな厳つい見た目なのに赤ちゃんたちは全く怖がってない。
ユーミに至っては俺の時よりご機嫌だ。
悔しい。
「それじゃあこれからよろしく」
「お、おう……」




