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海賊捕縛

「あ、ずるい!飛べる子たちはあたしに続きなさい!」


「はい!」


 ソランに先を越された翼ある組のヴァイオレットに続いて、魔法を使ってイーナ、エルフ三人娘が飛んでいった。

 元気だなあ。


「良ーなー空飛べて」


「今度フライのスクロール使っとくかー」


「そうだな……よし、あの六人ならこっちが接敵するまでに終わってるだろう」


「ボス、完全にオーバーキルですよ……」


 しかし、六人が飛べない組に気を利かせたのか一隻だけ蹂躙を逃れてこちらへ来た。


「ほら来たぞ。行ってこい」


「彼らのおこぼれってのが釈然としませんね」


「うだうだ言ってないでさっさと行け」


「了解!」


 いくら海賊が強いと言ってもこちらはあらゆる場所、時代の中からダンジョンコアに認められたこの世界の猛者たちだ。

 危なげなく全員を簀巻きにした。


「くそっ、離しやがれ!」


 ジョーカーたちが制圧し終わったくらいでソランが一人の海賊を引っ捕らえてきた。

 ソランが引っ捕えてきたのは身長2メートルもある大男だった。

 どうやらこの大男が首領らしい。


「お前が海賊団の団長か」


「そう言うてめぇはこの化け物共の頭だな!こんなガキに負けるなんて俺も焼きが回ってらぁ!」


「俺はともかくこいつらは世界でも指折りの強者だからな。運がなかったと思って諦めろ」


 俺の勝ち誇った顔を見て、ギリギリと歯ぎしりしながら視線で殺してやるとばかりに睨めつけてきた。


「そんじゃ、アジトまで案内してもらおうか?」


「フンッ、誰が親切に案内してやるものか。拷問されても俺は死んでも口を割らんぞ!」


「あっそ。ちなみにお前の仲間は全員捕まえてあるけど、その中で拷問されても口を割らないくらいお前に忠誠を誓ってる奴は何人いる?」


「………………クソッ」


 俺がニヤッと笑うと海賊の頭は顔を真っ赤にさせて悪態をついた。

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