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図書館で

 私はオットー、クロノ帝国のスライムダンジョン特別大使だ。

 大図書館で失神した人だ。


 私や、各国の大使はダンジョンマスターであるユースケ殿の厚意によって街に滞在することを許されており、各々気ままに街を見たりしているが、私は毎日ある場所へ行っていた。


「あれ?オットーさんじゃないですか。ひょっとして毎日図書館に来てるんですか?」


「ユースケ殿!…………あなたこそ一体何を?」


 図書館には先客がいた。

 ダンジョンマスターには大図書館があるのに……どうしてわざわざ規模の小さなこちらにいるんだ?


「俺ですか?俺はこの子達に絵本の読み聞かせをしようと思いまして」


 よく見ると後ろに子どもたちがいた。

 そういえば数十人の住民がいるのだった。彼らの子供だろう。


 絵本の読み聞かせ。ユースケ殿が連れている子供たちは五、六歳に見える。

 貧しい村ならこの年から畑仕事とかを手伝うが、この豊かな街ならばそのこと自体は不自然じゃない。


 文字を覚えるきっかけにもなるしむしろ推奨されることだと思う。

 しかし。


「王自らが平民に読み聞かせですか……」


「ははは、やることがないですから。それに民の生活を知らない王の寿命は短いと歴史が教えてくれますしね」


 確かに……いや、それは民の貧しい生活を知らずに、王や貴族が贅沢をして圧迫するからであって、ここは前提の貧しいを満たしてないから問題ないと思うが……そうか!逆に民が怠けてないか自然に視察しているのだな。


 ならば納得だ。


「オットーさんは政治学ですか?孔明の世界とこちらの世界では常識から違うので分かりづらいでしょう」


「まあ、しかし理解できる部分はあるので参考になります」


 実際にコーメイはこれらの知識を活用して賢人と呼ばれたのだ。

 覚えておいて損はない。


「熱心ですね。そうだ!これを差し上げます」


 ユースケ殿が差し出してきたのは数冊の本だった。

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