表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

117/440

学者が卒倒する大図書館

 居住区に入り、少ししてから少年は再び板を出して誰かと話していた。


「うん、分かった分かった。それじゃあな…………それでは皆さんに一つ面白いものをお見せしましょう」


 そう言って歩き出した少年に慌てて付いていくと、一つの大扉の前で止まった。


「こちらです。ではご覧ください」


 扉の先にあったのは私が子供の頃に物語で聞いたような大図書館だった。

 目当ての本を探すだけで一日かかりそうな広さ、だけどそんな広さでもどの棚にも本がぎっしりと詰まっている。


 世の学者が見たら卒倒しそうな光景だ。


 バタン。


 貴族でもあり、学者でもあるクロノ帝国の大使のオットー殿が倒れた。

 私の比喩は比喩では無かったようだ。


「ああ!大丈夫ですか?エクストラヒール」


「はっ⁉失礼。本の多さに興奮して思わず意識を失ってしまいました」


「ははは学者さんですか。街にはここほどではありませんが図書館があるので後で行ってみるといいでしょう」


 しれっと使っていたが、どうしてあの少年は最上級の回復魔法が使えるのだ?

 ダンジョン側の者が回復魔法を使ったことを教会関係者が知れば発狂することだろう。

 老人は中々の使い手だと思っていたが、少年の方も侮り難い。


 図書館を後にしたあと(オットー殿の目から涙が溢れていた)我々は応接室のようなところへ通された。


「申し訳ない。本来は数人で使う部屋なので座れない方々はこれに座ってください(パイプ椅子で怒られないかな?)」


 少年が持ってきた折り畳まれた椅子は、細くて簡素な作りだったが、試しに座ると案外座り心地が良かった。


 ソファに座ると天に昇るほどふかふかだった。きっと王族の寝具でもここまででは無いだろう。王国では子爵程度の私が座る事ができないだろうと思われた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ