貨幣はDP
ジョーカーの元へ戻ると、大人たちは泣いて彼に感謝していた。
「ありがとうございます!ありがとうございます!」
「ククク、私にお礼を言うのは筋違いというものです。その礼を受け取るべきお方はこのボス、ユースケ様ですよ」
「ありがとうございます!ユースケ様」
次は俺か。
ここの生活の最低基準は下手したら王族並だからな。
食事と風呂に至っては王族を超えてる。
この世界の風呂はよほどの風呂好きでない限り、王族でも二日に一回入るかどうかってくらいだからな。
「わかったわかった。だが良いのか?見ての通り俺たちはダンジョンマスター。人間たちの敵だぜ?」
「元々行き倒れる身の上だったのです。これは十分すぎる待遇です」
「噂で聞きました。スライムダンジョンは保護されているダンジョンだと。ならばここは安全な地ではありませんか」
「このような情けをかけて頂いたのですから私どもの命は貴方様のものです」
そうか……そんな物か?
まあ、人間に攻略される気はさらさらないから俺のダンジョンは、世界の中でもかなり安全な場所とも言えるか。
「これ程の待遇、悪魔に魂を売っても得られるかわかりません」
てことは何だ?俺は悪魔を超えてるってことか?
「それはそうと、お前ら妙に言葉遣いが丁寧だな。誰に習った?それに学があるなら働き口くらいあったんじゃないか?」
「村に元はどこかの国に仕えていたという高名な先生が居たのです。先生がいち早く逃げろと警告してくれたので、十分な荷物をもって逃げることができました」
結局十分な荷物を持って逃げてもだめだったんだけどな。
ああ、だからクワなんて急いでたら持っていけないような物持ってたのか。
「そうか。良い人が近くに住んでてよかったな」
「ええ……しかし、学があると言っても、ただの村人では必要ありませんし、街に行く前にユースケ様と出会ったので」
「じゃあ街に送ろうか?」
「いえいえいえ!この街の方が待遇が良いので遠慮させていただきます」
男たちはとんでもないと手と顔を横に振った。
とにかく街に住人ができたことはいい事だ。目標へ一歩前進だな。
俺は指輪を全員に渡した。
「これは?」
「この街の住人証ってところだな。ダンジョンってのはDPというダンジョンマスター独自の貨幣によって成り立っていて、DPは人間がいるだけで自動的に手に入る。その指輪は付けてる本人によって生じたDPを貯める機能が付いている」
俺の街の貨幣はDPだ。ダンジョンではニートですら一定の価値はある。
居るだけで最低限の生活はできる。別途働けば、DPが支給されてより豊かに生活ができるようになる。
貨幣は電子マネーみたいな感じだ。
みんな頭が良いおかげで仕組みは一度説明しただけで理解してくれた。




