妹の危機?
僕は起きて、のそのそと起き上がり布団からでて、カーテンと窓を開けた。まだ時期的には肌寒いけど、清々しい空気が入ってくる。そして清々しい朝に似つかわしくない程辺りは真っ暗だ。まあ太陽がまだ昇って無いから、こればかりはしょうがない。
「今日も僕の勝ちだね太陽さん、相変わらず太陽さんは、起きてくるのが遅いなあ。」
独り言を呟き、ベッドの所に置いてある時計を手に取り、時刻を見ると3時30分を過ぎたところ。
うんうん、いつ起きても関心するぐらい、僕の体内時計は正確に働いてくれている。
今日は待ちに待った、高校2年生になる初日。今年こそは菜摘と同じクラスになる予定。
小学生の高学年の頃から、いつもいつもいつも、僕と菜摘の輝かしい学校生活を台無しにし、僕と菜摘を別クラスにさせる教師達の考えが本当に理解できない。
「さて、菜摘の眩しいぐらいに輝いている、寝顔を見てから、菜摘を起こして支度でもしようかな」
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菜摘の部屋に入ろうとする、この瞬間がいつもドキドキしてしょうがない。
菜摘の可愛く可憐な寝顔を見て、僕は正気でいられるか、いつも不安になる。菜摘の、あの眩しく輝かしい女神の様な寝顔を見て、崇め称えたくなるのを堪える僕の精神力は、きっと不安になるだけで正気を保っていられるぐらいだから、神の域に達している。
「ふう、早く入って寝顔を堪能して起こそう」
菜摘の部屋のドアノブに、僕は手を伸ばし菜摘の部屋に入ろうとドアノブを回して……あ、あれ? ちょっと待って、あ、あああ開かなくなってる!? え、なんで!? いやいやいやいやおかしい、おかしすぎる大事件だよ。
ま、まさか誰かに静かに襲われてる? 眠っている可愛い菜摘の寝顔を見て……あ、ありえそう。
やばいやばいやばいやばい菜摘の貞操が誰かに奪われていたらどうしよう。
よし、そんな奴は殺した方がいい。寧ろ殺したいし菜摘に手を出したことを後悔させてやる。
「な、菜摘!? 大丈夫!? 今僕が助けに来たよ、菜摘返事をして!」
ドアノブを回しながら、扉を叩き菜摘からの返事を待つけど、一向に反応がない。
ま、まずいまずいまずいまずい、も、もしかして口を何かで塞がれて返事が出来ないとか……な、なにで口を塞がれ……手ならまだ百歩譲って殺すだけで済ませられるけど唇とか……あ、アレで塞いでいたら……ど、どどどどうしよう。
1回しか殺せないのがもどかしい! それよりやばいやばいやばい、早く何とかしなくちゃ。
「な、ななな菜摘! おい変態! 菜摘に何をしているんだ早く出てこい!」
「うるさあああああああああい! なに!? なんなの!? ハルにい、今何時だと思ってるの!? いつもいつもいつもいつも意味が分からないよ!?」
「な、菜摘! だだだだ大丈夫!? 今、僕が助けるからね! それで変態はどこに!?」
「全然大丈夫じゃないよ!? いつもいつもいつもいつもこんな時間に! 本当に、ハルにい何時だと思ってるの!? 変態はどこって私の目の前にいるからね!?」
よ、良かった、取り敢えず衣服に乱れは無いし貞操は無事みたいで一安心だけど……な、何で僕は菜摘にいきなり怒鳴られるの……助けようとしていたのに……
じゃないや、今はそんな事を考えている場合じゃ本当に無い。変態が目の前にいるって僕には全然見えないし、まさか漫画やアニメみたいに透明になる能力者が現実に!? それか菜摘が時計の見方を分からなくなるぐらいにまでバカになっているし洗脳の能力者が……? やばいやばいやばいやばいこれは本当にやばいやつじゃ……。
「え、えっとちょっと待ってね! 今は3時57分だよ、時計の見方が分からなくなるぐらいにまで菜摘はバカにされる能力か洗脳されたんだね。でも大丈夫! 時計の見方を1から教えてあげるから、バカになっても菜摘を僕は大好きだからね! そ、それより目の前に変態がいるって僕には全然見えないんだ。どこら辺にいる!?」
「ハルにいのばかあああああああああああああああ! もういい! 遊ぶなら1人で遊んでてよ、私はもう1度寝るから邪魔をしないで、おやすみ!」
「え、まって、1人じゃ……」
何で助けようとしたのに、菜摘はあんなに怒っているのか、意味がわからないよ!? 菜摘は本当にどうしたんだろう。
今は、そんな事を考えている場合じゃなかった。まだ変態がいるって言ってたし菜摘が危ない!?
な、なんとかして寝るにしても一緒に寝てもらわなきゃ菜摘が危なすぎて心配だよ僕。
「な、菜摘! ドアを開けて! まだ危ないから僕が一緒に寝るよ、菜摘!」
「ハルにいうるさああああああああい、ばかあああああああああああ! ハルにいなんて大嫌い!」
「……………………え?」