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職場が…ここ?
それからしばらく車に揺られながら目的の場所につく。
「さて、こっから少し歩くから」
「歩くんですか...?」
「車入んないからね。駐車場に停めてから徒歩だよ」
「そうなんですね...」
車の入んない会社って...小さいのかな?と思いつつ、僕は輪さんの背中を追って歩いて行く。
そうして、輪さんは街中のある1つの路地へ足を進めていく。
「ろ、路地に入るんですか...?」
「そうだよ。あまり目立たないんだ」
いつもなら明るいはずの朝。のはずだが、路地に入ったことにより、太陽の光りはさえぎられ明かりは少ししかはいってこない。風も少し肌寒く感じた。
「よし、ここだよ」
「...ここ、ですか...?」
目の前には、ひび割れて1つの廃墟のような雰囲気をした小さい建物があった。