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一筋の希望

…長い夢を見ていた。その夢は、ある暗闇の中で、僕はただ一人...ずっと立ち尽くしている夢だ。ただ闇が広がっていた。僕はただ一人立ち尽くしているだけ。


......そんな時、鈴の音が聞こえた。

鈴の音がした方へ目を向けると、一匹の猫が居た。何故かは分からない。...でも何故か、少し懐かしい感じがした。...でも、胸が苦しくなる。


猫は僕をこっちへ誘なうように闇の中へ歩いていく。ついていかなければ。そう思った。何か後悔するような気がして...。


猫の後ろ姿が見えるか見えないか、そのくらいの距離を保ちずつ猫にひたすらついていった。


...チャリン。


鈴がなった。


その時にはもう、猫は居なかった。そこにあったのは、猫が着けていたであろう、1つの鈴だけだった。


鈴が呼んでいる。...いや、猫が呼んでいる。そんなような気持ちになり、気付いたら鈴を手に取っていた。


...心が温かい。なぜだか分からない...だが、とても懐かしかった。


僕は...僕は何故...



泣いているのだろう?




____________________



「ん...」


僕は激しい頭痛に見回れ目が覚める。


「......へ?」


何処だ...ここ。


僕は敷き布団の上に居た。


見慣れない天井...あまり手入れはされていない質素な部屋。

僕は...一体?


前まで何をしていたのだろうか...。思い出そうにも、霧がかかりよく思い出せない。


そして、思い出せないのは...自身のこともである。名前、年齢、出身...何もかもが思い出せない。


...いわゆる、記憶喪失的な...そんなやつなんだろうか。


「とっ、とにかく...助けを呼ばなくちゃ...。えっと...、だ、誰か居ませんかー!?」


...こんな事言うのは少し変かな。


僕はゆっくりと辺りを見回す。扉は目の前に1つあるだけ。

とにかくここを出よう。

僕は立ち上がり、目の前にある扉の方へ行き手をかける。


その時だった。


僕が扉を開けると同時に、外側からも扉が開けられたのだ。


「「わっ!?」」


ほぼ同時に後ろへ後ずさりなが叫び声をあげる。


「あ、あぁ...起きてたのか。びっくりさせんなよもおおぉぉぉ...」


目の前の少しボサボサな髪の毛で白のTシャツ・ジーンズというシンプルな服装をした男性は溜め息混じりにそう言う。


「えっと...貴方は?あっ!そっ、それより助けて下さいっ!僕気付いたらこんな所に居てっ…。記憶もないんです!だから…」


「あー、そうなの...。それは良かった」


よ、良かった?


僕が目を丸くしキョトンとしていると目の前の男性はあくびをしながらもう一度部屋に戻るよう促す。


僕は言われるがまま男性の指示に従う。...にしても。


「...どういうこと、ですか?」


「とりあえず君、記憶は何にもないんだね?」


「え?は、はい...何もない、ですけど...」


「そっか。それで良いんだけどさ...。あぁ、そういや何にも名乗ってなかったか。名前が分かんないと呼びづらいよな...」


男性はそう独りでにかってに呟き始める。


「...さて、俺の名前は楠木くすのき りんだ。呼び方は問わない」


「はぁ...。えーと...楠木さんは何か知ってるんですか?僕について...」


「さぁ?君のことについては何にも知らない。ただ、何で君がここに居るのか、記憶が全てないのかっていう事については知ってる」


「し、知ってるんですか!?教えて下さいっ!!」


「...大丈夫?この話聞いたらSANチェックものだけど」


「さん...?」


「まぁいいや。...これから俺が話すことは落ち着いて、しっかり聞いてほしい。絶対に混乱すんなよ?面倒臭いからさ」


「え?は、はい...」


そして彼は1つ間を開けてから話を始めた。


___________________




「君はね、捨て猫だったんだよ」


「...は?」


「おめでとう、これから君は人間の仲間入りだよ」


「......はぁ!?」


...事情はある程度分かった。うん...うん?とりあえず僕は捨て猫で、死にそうになっていたところを楠木さんに助けられた...。ここまでは良い...ここまでは。


「その能力っていうのは...一体?」


「そっから?知らないの?」


「知らないですよ!」


話によると、楠木さんの輪廻転生...?という能力で僕を人間にさせた...っていうのがなんとも...。


「...能力っていうか、性格に言うと異能力って言ったほうがいいかな。異能力っていうのはねぇ...人智を超えた特殊な力を持つ者達って言うのかなぁ...」


「人を...越えるんですか?生まれたときからその異能力とやらを?」


「それは違うかな。異能力っていうのはある"きっかけ"から生まれるんだ」


異能力についてとりあえず断片的には分かった...けれど、きっかけっていうのは...?


「分かりにくいか...。例えば、自分の仕事仲間に一人居るんだけど、"死者の叫び"って言ってね、殺した人の数ほど一時的に強くなるんだ。なんでそんな残酷な異能力を手にしたか...それは、そいつの過去にある。あいつは昔、自分の快楽の為に殺しを行っていんだ」


「楽しんで殺しをしていたんですか...?自分の意思で...?」


「そう。あいつはまぁ、色々あってね...今は俺と同じ職場で働いてる。ここはどうでもいいんだけどさ。そいつは殺し続けるほど精神が崩壊していった。そしてそのまま、あいつの精神はボロボロになって崩れ落ちた。その出来事が、異能力を持つきっかけとなったんだ」


...なんとも理解しがたい話だけど、目の前に実際に異能力を持つ人が居るからなぁ...。


「結局、その人はどうしたんですか...?」


「俺が助けてやったんだよ。優秀な精神科医の人に色々やってもらった。今は人を助ける仕事に就いてるよ」


「そう、なんですね...」


とりあえず分かったけど...。


「えっと...それで?」


「...肝心なことを話忘れてたね。ごめんごめん。えーとだね、めでたく人間になれた君はこれから野放しにしてもどうせ餓死するから、俺の就いてる仕事に入らせてやろうと思う」


「仕事を...くれるんですかっ!?僕にっ!」


「人手不足だからねぇ...大丈夫、きっとすぐ馴染めるよ。ブラックだけど」


「ブラック...とは?」


「君はまだ知らなくて良いよ。とりあえず、君に仕事をあげよう。僕はこれから例の職場に向かう。君もついてきてくれ」


「は、はいっ!」


僕はこの時すっかり浮かれていた。何の希望もない僕に、一筋の希望が差し込んだからだ。


...でもまさか、この仕事が波乱を巻き起こすなんて、この時の僕は思いもしなかった___。


どうも、八神です。最近エブリスタの方でも活動を始めさせて頂きました。エブリスタではキャラ崩壊してます、はい。


ここでちょっとした裏話。 実は、本当の活動名は"豚の人"という名前でした。由来はメタボリック症候群予備軍だからです。

エブリスタの方でも豚の人という名前で活動しています。

では何故八神という名前になろうではしたのか?あれです、新世界の神になるお話にはまったからです。マモさんの演技最高すぎますねほんと。


...はい。ここまで読んで下さってありがとうございます。では、また次回お会いしましょう!

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