表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕のゴーレム作成能力の自由度が高すぎて、不可能はない気がしてきました。  作者: 九鹿蓮司
第六章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

73/79

6-11 本当にきたよ……

 魔王だって?


 確か魔王ってのは1年に1体だけ、6ヵ国のどこかに現れるものなんじゃないの?

 だけど前の大鷹の魔王からまだ2ヵ月も経ってないし、それと今回の両方の出現に僕が出くわすなんて、もう運が悪いとかいうレベルじゃないよね?


 巨大で異様なその姿に、集まっていた人たちがパニックを起こして逃げ惑う。

 代わりに大勢の兵士がやってきて攻撃魔法を放つが、まったく効果はない。勇者の攻撃でなければ魔王には通用しないんだ。



 ……僕が倒すしかない。


「フレックスアーマー・ギガンティック!」


 大量のミニゴーレムが僕を包み、全高3メートルの巨人となる。12個のコンプレッサーが作動し、右手に構えたM61バルカンが高い金属音を響かせてバレルを回転させ始めた。

 同時にプリムラの〈ストレージ〉にしまってあるミニゴーレムたちが、それぞれ彼女たちのフレックスアーマーを形成する。


「あれは魔王だ! みんなは安全な場所に!」


「イヤよ、あたしもここにいるわ!」

「死ぬ時は一緒ですよ、シモンさま」

「私もシモンさまと一緒に戦うわ!」

「シモンの側以上に安全な場所なんてないぜ」

「シモンさん、皆さんは私が必ずお護りしますっ!」


 ……まいったな。誰も逃げてくれないよ。


 それならそれで、できるだけ早く勝負をつけるだけだ。

 十分な圧搾空気が貯まり、射撃可能になったM61をスカラベの魔王に向ける。その奇怪な頭部に狙いを定め、今まさにトリガーを引こうとした瞬間、再びけたたましい音とともに空間が割れた。


 この展開も覚えがあるなぁ。

 そこから現れたのは、この国の勇者…… じゃない!? 今度は巨大なヒキガエルの魔王だ! 嘘だろ!?


 いや、驚いてる場合じゃない。とりあえず片方ずつでも倒さなきゃ。

 既に照準を合わせてあるスカラベの魔王に対して、M61バルカンを斉射。全体に比べて小さな頭部が、虚ろな男女の顔と一緒にグズグズに崩れていく。

 その間にヒキガエルの魔王からブレスが放たれ、僕を直撃。瞬時に形成された大盾がこれを防ぎ、その表面で盛大な火柱が上がる。


 スカラベの魔王の頭部はほぼ消失したが、まだ倒せてはいないようだ。

 僕はM61のトリガーを引きっぱなしのままにして甲虫の胴体を薙ぎつつ、射線をヒキガエルの魔王に移していく。


 パキイィン、パキイイィィィンッ!


「ちょっと。また出てきたわよ!」


「複数の魔王が同時に現れることはないはずなんですが、妙ですね」


「あの、二人ともちゃんと私の盾の後ろにいてください」


 別の場所でさらに2体の魔王が出現した。ここまでくるともう偶然とか不運だとかで片付く問題じゃないよ。どうなってるんだ一体!?

 ええい。とにかく、1体ずつ確実に始末していくしかない。考えるのは後回しだ。スカラベとヒキガエルが絶命してサラサラと崩れ去っていくのを確認して、また次の魔王に狙いを定める。


 すると僕がトリガーを引くより早く、新たに出現した魔王の1体、雄牛の魔王の頭部に幾つもの穴が開き、苦悶の絶叫が轟き渡る。


「当たったわ!」


「よぉーし、ちゃんと効いてるぜ、畳みかけろ!」


 シャルとプリムラの声だ。その二人だけじゃなくパトリシアとアナベルも、クラリスの大盾の陰から銃を構えて発砲を続けている。

 そうか! あの銃もそこから放たれる弾丸ゴーレムも、全部勇者である僕の魔力で動いている。だから彼女たちが撃っても、ちゃんと魔王に効果があるんだ!


 待てよ? そうすると僕の魔力を貯め込んだ二次魔晶石は、魔王に対して強力な武器になるんじゃないのか?

 僕は急いで20ミリ弾丸ゴーレムに二次魔晶石を組み込み、試し撃ちをした。新たな弾丸ゴーレムは虻の魔王の胴体に侵入すると、そこで魔晶石に蓄えられた僕の魔力を解放。たった一発で魔王の胴体に大穴を開けた。

 よし、一撃必殺とまでは行かないけど効果は段違いだ。これは使えるぞ。


 いちいち驚くのも嫌になるくらい次々と現れる魔王を撃破しながら、僕は二次魔晶石内蔵の対魔王用20ミリ弾丸ゴーレムを増産して、パトリシアたちの銃とシャルの弓に送りこんだ。

 どっちも自動装填式なので、あとはゴーレムたちに任せておけばいい。


「なんだか、急に強くなったわよ。あたしたち」


「おそらくシモンさまが何かしてくださったんでしょう。これなら私たちも、ちゃんとお役に立てそうです」


「そうね! 少しでもシモンを助けてあげなきゃ!」


「またはみ出してますよ、パトリシアとアナベル。もうちょっと中へ」


 新しい弾丸ゴーレムが装填されると、彼女たちの攻撃力は飛躍的に上がった。残念ながら手数の問題で魔王を倒し切るところまでは行かないけど、次々に標的を切り替えながら集中砲火を浴びせることで魔王の行動を制限してくれている。

 おかげで僕に向かってくるブレスの量がめっきり減って、ずいぶんとやりやすくなった。

 僕は魔王のブレスを避けずに全部受け止めているけど、その余波や流れ弾で周りの建物はもうボロボロになっている。死傷者が出てないことを祈ろう。


 もう何体目なのかよく分からなくなってきた軟体生物系の魔王をM61で蜂の巣にし、その片手間に20ミリ弾丸ゴーレムを二次魔晶石内蔵の新型に改良していく。

 さすがに全弾とまでは行かないけど、もう3発に1発くらいは新型になっている。その火力は圧倒的で、1体の魔王をたったの数十発で完全に消滅させる。弾数で言うと多いように感じるかも知れないけれど、これは時間にすればほんの1秒足らずだ。


 今、生き残っている魔王は4体。この分なら出現するよりも早いペースで倒していけるだろう。今のところ魔王の攻撃はこちらの防御を突破できていないし、僕の魔力もまだまだ問題ない。

 この先何体くらい出てくるつもりか知らないけど、一度に1体ずつを相手にする限りは危険は少なそうだ。


 ……危ない危ない。

 そんなこと考えてると、お約束で一気に10体くらい出てきたりするんだよな。油断は禁物だ、気をつけなきゃ。


 パキィン! パパキパキパパパキパキイイイィィンッ!!


 うわぁ…… 本当にきたよ……

 案の定と言うべきか、ほぼ同時にあちこちで空間がひび割れ、10体近くの魔王が出現する。


 でも、それで終わりじゃない。


 居並ぶ魔王たちの奥に一際大きな亀裂が走り、そこから物凄く巨大な人型の魔王が現れた。

 ひょっとすると身長は50メートルほどあるかも知れない。少し曖昧なのは、その人型魔王が四つん這いだからだ。

 胴体に一対の手足、そして頭。人型としてのパーツは一通り揃っているけれど、細かな凹凸を極限まで省いてツルツルにしたような現実味のない姿をしている。だから顔ももちろんのっぺらぼうで、目鼻の代わりに水面に絵の具を落としたようなマーブル模様がうねうねと蠢いている。


 〈簡易鑑定〉では、ただ「魔王」としか表示されない。

 ステータス、危険度判定ともに非表示だ。


 ……これってつまり、ボス登場ってことなのかな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ