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僕のゴーレム作成能力の自由度が高すぎて、不可能はない気がしてきました。  作者: 九鹿蓮司
第五章

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5-11 絶対に許さないぞ。

要塞モード(フォートレス)っ!」


 扉が開け放たれると同時に、フレックスアーマーの補助腕にアダマンタイトの大盾を形成。

 2枚の大盾は僕とグスタフさんを覆い、倉庫内からの迎撃に備える。


 すると予想通り攻撃魔法による衝撃波や爆炎、それに石や氷の塊、さらには矢や投げ槍などが殺到して僕の視界を奪った。

 しかしもちろん、その攻撃の中にフレックスアーマーの防御を抜いて僕にダメージを与えられるようなものは一つもない。僕の後方にいるグスタフさんも、当然ながら無傷だ。


 黒煙や粉塵が収まって視界が回復すると、僕は2枚の大盾の隙間から倉庫内の様子を伺う。

 広い空間に、半円を描くようにしてガラの悪い男たちが並んでいる。

 ざっと見たところ4、50人ってところか。100人はいないみたいだな。


「おい見ろ、生きてやがるぞ!」

「あれだけの攻撃でも無傷か!?」

「ボーッとしてんじゃねぇ! 魔法の使える奴ぁ次の詠唱、急げ!!」

「グァッ!!?」

「ゲブフッ!!」

「な、何だぁっ!?」


 狼狽える声に悲鳴が混じっている。見るといつの間にかグスタフさんが敵の右翼を襲撃していて、さっき奪った剣の腹で男たちを次々とぶん殴り、昏倒させていた。

 よし、それなら僕は左側からだ。敵の隊列を舐めるように、FN P90のフルオート射撃でスタンモードの10ミリ弾丸ゴーレムをバラ撒く。


「ぎゃあ!!」

「ぃいいぃっ!」

「おあっ!?」


 一人あたり5発ほどの弾丸ゴーレムを食らった男たちは悶絶し、なす術なく床をのたうち回る。

 フルアダマンタイトジャケットの弾丸ゴーレムの前には、鋼の防具ですら紙同然だ。盾も鎧も軽々と突き破ってガッチリと肉を挟み、激痛を与える。

 そんな調子で僕とグスタフさんは、突入から30秒足らずで敵全員の無力化を完了した。


 と、そのタイミングで、倉庫の奥からさらに20人ほどの男たちが現れた。


「そこまでだ、動くなっ!」


 新手の集団の中央にいる、他よりも少し身なりのいい男が叫ぶ。

 その後ろには、両腕を縛られ猿ぐつわを噛まされたベックとフロリーの姿があった。二人ともガタイのいい男に縄を掴まれていて、身動きも取れないようだ。


「よくも俺の(ねぐら)で好き勝手やってくれやがったな。お前ら、このガキどもの命が惜しけりゃ剣とその妙な武器を捨てろ。……とっととしやがれっ!」


「ふぐっ!!」

「ぅむううぅぅ~っ! ほひぃひゃん!」


「……ベック!」


 男はいきなりベックの髪を掴むと床に引き倒し、その背中を踏みつけて剣を突き付けた。

 手足の自由を奪われて受身の取れないベックは固い床で胸や顔を強打して苦鳴を上げ、それを目の前で見せられたフロリーが泣き出す。


 〈簡易鑑定〉が発動して、この男がボスのラゲドだと告げた。ステータスは「B」で、確かに他の連中より頭ひとつ高い。

 くそっ、絶対に許さないぞ。ベックたちを酷い目にあわせた事を後悔させてやる。


 視線でどうする、と問いかけてきたグスタフさんに僕は頷きで答え、FN P90を床に置く。

 続いてグスタフさんも構えを解いて、手にした剣を投げ捨てた。


「武器は手放した。その子たちを解放しろ」


「馬鹿言え、コイツらは大事な商品だ。お前が抵抗しなけりゃ命は助けてやるが、逃がすとまでは言ってねぇ」


 僕たちが武器を捨てたので安心したのか、ラゲドはニヤニヤと嫌らしい笑みを浮かべて僕の方に近付いてきた。

 ベックはまた後ろの男に引っ張り起こされ、喉元にナイフを当てられている。床で打って唇を切ったのか、口元が血で汚れていた。

 すぐに助けるから、もうちょっとだけ待ってろよ。


「動くなよ。お前が少しでも動いたら、あのガキが死ぬことになるぞ。……食らえっ!!」


 あと2メートルほどにまで迫ってきたラゲドが、意外なほどの速さで突きを繰り出してきた。狙いも正確で、僕の喉元に鋭い切っ先が飛び込んでくる。

 普通なら鎧の隙間に差し込まれた刃が僕の喉と頚椎を貫くコースだけど、残念ながらこれは普通の鎧じゃない。一見柔らかそうに見える関節部分も全てアダマンタイトだ。そしてそれは、僕の意志ひとつで装甲部分と同じ硬さに変わる。


 ガキンッ!


 剣が当たった喉だけじゃなく、身体中すべての関節を瞬間的にロックする。さらに足の裏からスパイクを床に打ち込んで不動の体勢だ。

 これでラゲドは巨大な鉄塊に突きを入れたのと同じ事になる。刃はへし折れて中途で止まり、踏み込みの勢いがそのまま衝撃として腕と肩に戻ってきて剣を取り落とした。


「こっ……の野郎……! ハンス! 構わねぇからガキの片方を殺しちまえっ!」


 肩を押さえながら後退ったラゲドが命じる。

 ハンスと呼ばれた、ベックを抱えている男が手に持ったナイフに力を込めた。

 ……でも、もう遅い。こっちの準備は完了している。


 ベックとフロリーを拘束している二人の男の足元から、床を突き破って黒鉄色の槍が飛び出した。言うまでもなく僕のミニゴーレムたちだ。

 フレックスアーマーから分離して床下を進んでいたミニゴーレムたちが、ハンスのナイフを持つ右手を串刺しにする。フロリーを掴んでいる男の方にも、同じように別のミニゴーレムたちが襲い掛かった。


 二人の男が悲鳴を上げてベックとフロリーを手放したと同時に、僕は〈ストレージ〉からもう一挺のサブマシンガンMP5Kを取り出して発砲。

 グスタフさんも落ちていた剣を拾い上げて攻撃再開だ。


 そこからはもう、敵の全滅までほとんど時間はかからなかった。





「シモンお兄ちゃん、グスタフおじさん、ありがとうっ!」


「何度も助けてもらって、悪いな。ありがとう」


 それからベックたちの縄を解き、怪我の手当てをして、アジトの中を掃討して回った。他にも20人ほどの男たちが残っていたので、全員まとめてミニゴーレムで拘束して一箇所に集めた。

 結局、何だかんだで100人くらいにはなったな。今ここにはいない構成員も幾らかはいるんだろうけど。


 これからちょっと刺激的な光景が繰り広げられる予定なので、ベックとフロリーはグスタフさんに護衛を頼んで倉庫の外で待っていてもらう。

 その間に僕は、男たちを拘束しているミニゴーレムを通じて〈ゴーレム作成〉。100人全員の体内にナノゴーレムを繁殖させておいた。このナノゴーレムが、今後の彼らの監視役になる。


 さぁて、あとは仕上げを残すのみ、だ。

いつもの時間に更新できませんでした。お待ち頂いていた方にはすみません。

次回こそ、金曜日昼前に更新予定です。

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