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僕のゴーレム作成能力の自由度が高すぎて、不可能はない気がしてきました。  作者: 九鹿蓮司
第五章

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5-1 護衛なら間に合ってるよ。

 カスタールの皇帝陛下が僕に贈ってくれた家は、思った以上に大きかった。


 建物は二階建てで、一階には暖炉のある広いリビングと食堂に台所、落ち着いた雰囲気の応接間などがあり、おまけにちゃんとお風呂まで備わっている。

 そして二階は大小あわせて10個もの部屋に分かれている。部屋の広さは小さなもので6畳ほどで、一番大きな部屋はその倍くらいありそうだ。


 そして何故だか、その一番大きな部屋が僕の部屋ってことになった。


「こんな広い部屋じゃ、落ち着いて寝られないよ」


「でもシモンはいつも部屋で仕事してるじゃない。それに、どうせみんなここに集まるんだから、広い方がいいわよ」


「そうです。実質的にここがリビングみたいなものです」


 うん。最初から分かってた事だけど、やっぱり僕の部屋が溜まり場になることで決定みたいだ。

 よくよく考えてみると、毎日のように女の子たちが部屋に遊びに来るってのはちょっと異常だよね? もう慣れちゃったし、別に嫌じゃないからいいんだけど。……正直言うと、パトリシアが来てくれるのは嬉しいし。



 続いて僕の左右両隣がパトリシアとアナベル、廊下をはさんで向かいにプリムラとクラリス、といった感じで部屋割りが決まった。

 住む部屋が決まるとさっそく引越しで、僕たちはそれぞれ宿を引き払って荷物を運ぶ。僕とプリムラの〈ストレージ〉のおかげで荷運びは楽勝だ。

 もちろんクラリスも隣の家から引越してきた。家自体はエンディリア王国の持ち物ということで、彼女自身の私物はそう多くない。



「あのねシモン、もう少し家具を買い足したいんだけど、見に行かない?」


「あ、そんならおれも。……その、ちょっと小物とか」


「シモンさん、私も調味料や食材を揃えておきたいんですけど、一緒にいいですか?」


 荷物を解くと、みんなそれぞれに足りないものが見えてきたみたいだ。

 プリムラが欲しいのは可愛い小物だよな。分かってるとも。


「私もです。壁に穴を開ける工具が必要です」


「シモン、そっち側の壁はアダマンタイトで覆っておいた方がいいみたいよ」


「……そんなっ、卑怯ですよ! さてはパトリシアさん一人だけでシモンさまの油断し切った私生活を覗き見するつもりですね!?」


「あたしは覗いたりしないわよっ!」


 ……とまあ、アナベルはいつも通りこんな感じだ。

 僕の姿なんか覗き見して楽しいのかな?





 そんなわけで、僕たちは買い物に出かけることにした。

 いつものメンバーにクラリスを加えて5人だ。


 鮮やかな赤い髪が印象的なパトリシアは文句なしの美少女だし、エルフのプリムラは喋りさえしなければ神秘的な美しさすら感じられる。

 綺麗な青色のロングヘアのアナベルも性格はちょっとアレだけど実は整った容姿の持ち主だし、金髪碧眼のクラリスは落ち着いた感じの美人さんだ。そして彼女はとにかく胸のあたりが凄く人目を惹く。


 そんな4人が楽しそうにお喋りしながら歩いているわけだから、行く先々で注目を集めるのは仕方のない事だ。

 だから、時にはこんな事も起きる。


「よう、お嬢ちゃんたち、どこ行くんだい? 女ばかりでこんな裏道を歩いてちゃ物騒だ。俺らが護衛してやるよ」


「ついでに楽しい遊びも教えてやるぜ」


「さあ、こっちだ。ついて来な」


 市場へ向かう道中。初めて立ち入った人気の少ない路地で、いきなり現れて僕たちを囲んだのは、いかにもって感じの6人の男たちだ。

 その中の一人がパトリシアに向かって手を伸ばしてきたので、僕が間に入ってそれを遮った。


「護衛なら間に合ってるよ。お気遣いなく」


「ハハッ。なんだ、男がいたのかよ? 気付かなかったぜ。……おい、邪魔すんなこのガキ、痛い目に合いたくなきゃ今すぐ失せな」


 男は意外にも素早い動作でナイフを抜き、僕に凄んできた。同時に〈簡易鑑定〉が発動する。ステータス「C」、危険度判定+3、雑魚だ。

 と言っても、プラス判定だから僕よりは圧倒的に強いわけだけどね。


「格好つけてしゃしゃり出て来たはいいが丸腰じゃねぇか。そんなに死にてぇのかこの馬鹿は、あぁ!?」


「女は全員俺たちが貰ってやるから安心して死にな、坊主」


 そんなテンプレな脅し文句を口にしながら、他の男たちもナイフを抜き放つ。

 これがほんのひと月前なら、僕はきっと足が竦んで動けなくなってしまったことだろう。だけど今の僕からすれば、目の前のこの男たちはまるでどうってことのない相手だ。

 ……大鷹の魔王や、勇者トウヤに比べればね。


「なによ! シモンの悪口はあたしが許さないわよ!」


「デートのお誘いなら、せめて身なりくらい整えて出直して来てください。……まあ、どのみちお受けはしませんけれど」


「なぁシモン、やるんなら一人くらいは俺に倒させてくれよ」


「あの……皆さん…… あまり挑発は……」


 いつものようにパトリシアたちはやる気満々で、クラリスだけが困ったように身を縮こまらせている。

 そんな常識的な反応が、なんだか新鮮だ。


「こンの糞ガキがぁああぁっ!!」


 挑発に乗って激昴した男が、雄叫びを上げつつナイフで切りかかってきた。

 次の瞬間、その男は後方に5メートルほど吹っ飛び、手にしていたナイフも粉々に砕け散る。

 もちろん僕自身が何かしたわけじゃない。フレックスアーマーの近接自動防御機能が発動しただけだ。


 それに続いて、仲間がやられたと見て一斉に襲い掛かってきた5人の男たちを、アダマンタイトのミニゴーレムで構成された第3第4の腕が殴り飛ばす。

 同時に、触手状に伸びたミニゴーレムたちが彼らのナイフを次々に絡め取り、粉砕した。

 補助碗の生成、攻撃、収納という一連の動きは超高速で行われているので、男たちには僕が棒立ちのまま目にも止まらない速度で反撃したように見えるだろう。実は僕自身にも全然見えてない。


 ズパンッ! ジャコッ、ズパンッ!


「アガッ!?」

「おげぇっ!!」

「ぴギッ!!?」


 止めはレミントンM870から撃ち出された、スタンモードの20ミリ弾丸ゴーレムだ。

 100グラムを超える金属弾が亜音速で股間を直撃、おまけに弱威力の〈サンダーボルト〉をお見舞いして昏倒させる。

 治癒魔法で簡単に怪我の治療ができるこの世界のことだから、このくらいはどうってこと………… ちょっとやりすぎたかな?





「驚きました……シモンさん、本当に強いんですね」


「当たり前よ! シモンの実力はまだまだこんなものじゃないわ」


「その通りです。シモンさまがその気になれば、1000人の軍隊でも瞬殺ですよ」


「あーあ。おれにも残してくれって言ったのに……」


 いやいやアナベル、さすがに1000人は…… うん? 最初からギガンティックにM61バルカン装備で遮蔽物がなければいけるかな?

 20ミリ弾丸ゴーレムのストックもとっくに1000体を超えているし、状況次第じゃ秒殺も不可能じゃないな。


 いや、不可能じゃないかも知れないけどやらないよ? やらないけどね?



 ともあれ、文字通り秒殺で5人を片付けると、それまで遠巻きに様子を見ていた街の人たちが寄ってきて、ありがとう、よくやってくれた、と感謝の声をかけられた。

 なんでも、この男たちは以前からこのあたりで揉め事を繰り返しているグループの一員で、みんな困っていたんだそうだ。


「ラゲドファミリーって言うんだけどよ、神殿騎士も手を焼くくらいのならず者集団なんだ。あんたのお陰でちょっと溜飲が下がったよ」


「兄さんくらい強けりゃ心配ないとは思うが、奴らの報復には気をつけな。しばらくこの辺には立ち寄らない方がいいよ」


 ラゲドファミリーか。ストリートギャングみたいなものなのかな。

 神殿騎士は僕が圧勝した相手なのであんまり強いってイメージはないけど、一応このメリオラでは最強の警察組織だ。それがなかなか手を出せないほどの集団となれば、確かに危険だな。

 忠告通り、これからは別の道を通ることにしよう。

お待たせしてすみませんでした。再開の目処が立ちました。

とりあえずは週一の更新を目指しますので、よろしくお願いします。

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