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僕のゴーレム作成能力の自由度が高すぎて、不可能はない気がしてきました。  作者: 九鹿蓮司
第四章

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4-7 だんだん腹が立ってきたぞ。

「……それじゃあ、その友達の奥さんのために、戦争をさっさと終わらせようと?」


「そう」


「戦争を口実に、他人を痛めつけて楽しんでるわけじゃない?」


「そんな趣味はないよ」


 エディンバー伯爵側の治癒魔術士がM61バルカンの集中砲火を受けてボロボロになった勇者トウヤを回復させたあと、僕は誤解を解くため彼と少し話をすることにした。

 もちろん場所は移動済みだ。さすがに勇者一行を捕虜にするつもりはないらしく、戦場を離れても誰にも見咎められなかった。その戦場では、僕たち抜きで会戦の続きが行われている。エディンバー伯の軍は勇者の敗北を目にして意気消沈していたけど、戦況の方は一進一退って感じだ。

 そして戦いに敗れたことで頭が冷えたのか、トウヤは意外なほどすんなりと僕の話を受け入れてくれた。


「何だよ、それならそうと早く言ってくれりゃあいいのに」


 いやいや、早く言うも何も問答無用で襲いかかってきたじゃないか。

 あの状況でどうしたらそんな話し合いができたって言うんだよ!


「ハッハッハ、そりゃ無理ってもんだ。トウヤは人の話を聞かねぇからな」


 トウヤの仲間の、確かロッキーって人が茶化してくる。

 僕の側から見たら、あなたたち全員そんな感じですけどね!



 トウヤの話では、昨夜遅く王都の神殿に、エディンバー伯爵とマルトニー伯爵の両者から戦闘狂(バトルジャンキー)のはぐれ勇者が戦争に介入しようとしているから助けて欲しいと連絡が入ったらしい。

 この戦闘狂(バトルジャンキー)のはぐれ勇者ってのは、言うまでもなく僕のことだな。随分な言われようだけど。

 そして今朝それを耳にしたトウヤが、国王の制止も聞かずに転移魔法で飛んできたという事だ。


「一応は同じ国の人間だからな。余所者に酷い目にあわされてるってんなら、放っておけないだろ」


 おおっ。正義感が強いんだな。

 ちょっと見直した……


「それに、同格以上の相手と闘える初めてのチャンスだったしな。……だよなロッキー?」


「ああ。それも『魔王殺し』の勇者とくりゃ行かない手はねぇよな!」


 ……おいおい、そっちの方がよっぽど戦闘狂(バトルジャンキー)じゃないか。

 それと僕は魔王を倒してないから。倒したのは勇者ミツルだから。





「結局全部こっちの早とちりだ。すまなかったな、シモン」


「誤解が解けたのならそれでいいよ。こっちこそ、大怪我させちゃって悪かった」


 トウヤたちの謝罪を受け入れ、こちらも負傷させたことを謝ると、こんなもの怪我のうちにも入らないよ、と笑い飛ばされた。

 もう治癒魔法で完治してるとは言え、さっきは全身打撲傷と火傷だらけで何ヵ所も骨折してたってのに、あれが大した怪我じゃないってどういう感覚なんだ?

 ひょっとして、普段からぽんぽん手足をなくして再生したりしてるんだろうか。……うぅっ。ちょっと怖いから考えるのはやめとこう。


「それにしても、パワードスーツにガトリング砲とは驚かされたな。シモンの装備はチート過ぎだろ」


「おうよ、そのがとりんぐ、てぇのか? あの礫はアンチマジックシールドもオリハルコンのプレートメイルもぶち抜いてきやがった。ありゃあいったい何だ?」


「それは俺も聞きたい。武器にせよ魔法にせよ、あんなものはこれまで見たことも聞いたこともない」


「ロッキーとビリーはまだマシです。私なんか、撃たれたと思ったら次の瞬間にはこれですからね」


 最後のはエドワードという人で、トウヤと一緒にM61バルカンの標的になった人だ。彼とトウヤの鎧は、穴とヘコミだらけでもう二度と装着できない状態になっている。

 ちょっとやり過ぎたようで申し訳ないとは思うけど、ああでもしなきゃ勝てそうになかったんだから仕方ない。


「これは全部僕の作ったゴーレムなんだよ」


 知られて困る事でもないので、簡単に弾丸ゴーレムと銃ゴーレムの仕組みを説明する。

 トウヤはもうだいたいのところを察していたみたいだけど、あとの3人は愕然とした表情だ。


「なるほど、アダマンタイトか。こんなに大量のアダマンタイトなんて見たこともねぇが、それならオリハルコンで防げねぇのも納得だ」


「加工の困難なアダマンタイトで、こんなに精密なものを作ることができるとは…… しかも、本来の用法ではあれが体に突き刺さってから魔法を発動させるというのか。何という恐ろしい武器だ」


「そうすると、私たちはあれでも十分に手加減されてたんですね」


「そうか、ゴーレムが作れればこんなことができるのか! 俺にもそっち系の適性があれば良かったのになぁ」


 いやいや。僕に言わせれば、全ステータス「S」のトウヤの方がよっぽど羨ましいって。

 ちなみになぜか彼の〈簡易鑑定〉では、僕のステータスは非表示になっているらしい。だから危険度判定も表示されていなかったそうだ。幸いこっちのステータスが魔力以外「E」なのはバレてないみたいだから、このまま黙っとこう。

 トウヤたちも、そんな相手に負けたと知ったらショックだろうし。


 ああ。そう言えばレトナク王国の勇者の話、メリオラの神殿にいたときに聞いた事があったな。去年、召喚後一ヵ月で迷宮を単独踏破したとか。あれはトウヤのことだったのか。

 さっきはフルオートで撃ち込んだ弾丸ゴーレムを剣で弾いてたし、よっぽど戦闘系の適性が高いんだな。やっぱりちょっと羨ましい……





「それで、トウヤ。マルトニーとエディンバー両伯爵への対応はどうしますか?」


「あー、そうだな。どうするのがいいかな……」


 エドワードの問いに、トウヤがあからさまに面倒臭そうな顔をした。

 対応って何のこと? と僕が不思議そうな顔をしていると、それを説明してくれたのはロッキーだ。


「たとえトウヤが神殿や国王陛下の反対を押し切って出てきちまったにしても、勇者に対して虚偽の救難要請を出すってのは、わりと重大事なんだよ」


 なるほど、言われてみればその通りだ。

 もし仮に僕が手加減なしでトウヤと戦い、その結果彼が死んでいたとしたら、それはレトナク王国にとってとんでもない損失になっていただろう。


 それに、マルトニー伯爵には昨日ちゃんと事情を説明したはずなのに、トウヤを僕にぶつけるために嘘をついたって事だよな。

 そうだ、あの伯爵のせいで僕が悪人呼ばわりされたんじゃないか。それでトウヤたちと闘うことになって、おまけに何百体ものミニゴーレムが壊されたんだ。……考えてみるとだんだん腹が立ってきたぞ。ここはちょっとくらい仕返しさせてもらってもいいよね?


「じゃあ、その件も兼ねて、ちょっと手伝って欲しいことがあるんだけど」


 僕が思いついたことをトウヤたちに説明すると、彼らはノリノリで賛成してくれた。

 この人たち、やっぱり戦闘狂(バトルジャンキー)だよなぁ。

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