八想 天才幽霊
今年最後の更新になりそうですよ?
と、言ってみたり・・・
なんか、スーツ姿でガリゴリと書きこんでいる人がいた。
えっ?何?この人も殺しかねない殺伐とした空気
そう、『俺の邪魔したら殺すゼ?』的な
話すことすら躊躇わされる感じ?
仕方ないので私はしばし待つことにした・・・
何を書いているか気になるところではあるが
15分後
コロンッ、とペンを放る音がして
「ふぅー」
と、奏樺が言った。
そして後ろ向きなのに
「何の御用しょう?すみません。気づいていたんですけど・・・」
と言いながら私の方を向いた。
ん?あれ、片眼鏡・・・?
「えっ?気づいてたの?」
凄いとかいうレベルじゃない・・・もはや、神?
「あれ?亜衣でしたか。朝食、お召し上がりになります?」
「う、うん。ってそれより何書いてたの?・・・それ、その片眼鏡は?」
先ほどから疑問だった事を聞いてみる。
「なにって・・・今やってたのは冬期休暇の課題です。それと、左目・・紅い眼の方は少々視力が低下してまして・・・」
課題?・・・課題!!!
「そーだよ!私もあったんだ!やらなきゃっ!」
いっつも、宿題系は締切の前日徹夜だから今回は早めにやっておこうと心に固く誓ってたのにぃ
「ま、まぁ。もらってから一日しか経ってませんし・・・」
「その一日が大切なのっ!奏樺はどこまで終わったの?」
こうしている間にも時間はドンドン減っていく
「どこまでって・・・終わりましたけど」
さも当たり前のように答えた
「ふぅん、そう・・・・はぁッ!?終わった?いやいや、何言ってるの?」
「ホントですけど・・・ホラ」
そう言って今まで書いていたテキスト&ノートを私に見せた・・・
「・・・・・・・・貴方、ちょっと殴らせてくれない?」
「はい?何故に?」
「こんなことがあってたまるかぁー!なんで終わってるのよ!」
渡されたノートにはびっしりと・・・それも正答が書き込まれていた。
答えを見た?いやいや、これ答え配られてないはずだし
こんなことがあってたまる・・・まさかっ!
「奏樺・・・この前とその前のテスト何位だった?」
恐る恐る聞いてみる。
「はい?一位でしたけど・・・それが何か?」
『聖ヶ崎高等学校七不思議更新版』の一つ
『幽霊のテスト参加』
私たちの学校の誰も入学から一位を取ったことがないことと成績優秀者の張り紙が今年からなくなったことから
先生も幽霊のテスト参加を認めているとか言う噂が立つくらい。
もはや、満点を取るしか一位にはなれないといわれているほど・・・
「お前かぁぁぁぁぁ!!!」
「へっ?ど、どうされました?」
「どうもこうも・・・ああっ、こんなことが・・・」
それから奏樺に噂の説明をしてあげた。
ふんふん、とかほぅほぅ、とか言ってるけどほんとにわかってんのかなぁ?この人
「いやぁ、参りましたね・・・そんな凄い噂になってたとは・・・」
「そ・れ・で、何点だったの?テスト」
「亜衣?なんか怖いですよ。えーっと、全部で250ですかね。基本科目は・・・」
250・・・一科目は50
基本科目は、5つ=満点
「満点じゃないのぉ!なんで、そんなに頭いいのよぉ!」
「えーっと、一応大学卒業してるんですけど・・・」
大学?あの、高校卒業者の行く学校?
「いやいや、外国じゃあるまいし日本よ?ここは」
「ええ、僕は、外国での生活の方が長いですね」
聞いてみるとこういうことらしい
つまり、5歳の時点で外国を師匠と旅していたらしい。
その後、イギリスに1年住んでその間にオックスフォード大学というところを出たらしい。
したがって、親と暮らしたのは六年くらいらしい
「いやぁ、あのときは毎日必死で勉強しましたねぇ。国の滞在期間平均3ヶ月でそこの言葉を覚えなきゃいけませんでしたし」
「ずっと思ってたんだけど・・・天才?」
「いえいえ、天才なんて言ったら本国に行くともっとすごい人がいますよ」
はぁ〜、改めて思う
この人たちとは住む世界が違う、と
「それより、荷物取りに行くのでしょう?僕も行きますよ。子どもたちはほかの方が面倒みてくださいますし・・・」
「そう?ありがと・・・ところで、宿題写さ」
「駄目です。自分でやらなきゃ。分からないところは、僕が教えて差し上げますよ」
ふぅ〜、天才は頭固いなぁ
ではでは、皆さん
来年もよろしくお願いします。
では、よいお年を
12月31日 クロカラス