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七想   神矢 右京

朝、私は心地の良いまどろみを振り切るように目覚めた。

「ん?ここは・・・」

寝起きの頭をフルに働かす

(そうだった。奏樺の家に泊ったんだっけ)


「ふわぁ〜あ、ちょっと寝すぎたかな?」

時計を見ると10時30分

なるほど、いつもよりおそい

隣に寝ていたはずのマリアの姿はなく代わりに酒瓶がごろごろ転がっていた。


「とりあえず・・・顔、洗いたい」

水場を求めて部屋を出る


え〜と、水場水場

私はひたすら歩き続ける。


10分後

え、え〜と・・・

だんだんと人気が無くなってきてるのは気のせい・・だろうと思いたい

(どうしよう?もと来た道をダッシュで逆走しようか)

なんとなく、なんとなくだが悪い予感が頭をかすめる


(な、なぁに。ここだって屋敷の中なんだ。迷子とかにはなんないはずだし)

いろいろと曲がったりしてみる。

階段も上がったりもしてみる・・・


(さて、どうしよう・・・これはパーフェクトに迷子だ)

ケータイは・・・駄目だ。部屋に置いたままだ。


とりあえず、こういうときは


「だ〜れ〜か〜!い〜ま〜せ〜ん〜か〜!!!」

漫画やテレビの世界で使用される効果音は間違いなく『し〜ん』だろう。

「いやいや、家で迷子になるって広すぎもほどがあるよっ!」


いっそ、火災探知機でも使うか?と思案していると後ろから

「どうされました?」

男の人の声が聞こえた


「奏樺?」

後ろを振り向いてみると・・

「いえ、申し訳ないのですがジャックではありません」

「いっいえ。そっ、その」


一見、狼を思わせるような体つきをした男の人だった。

左のほほに傷があるのが、とても印象的だった。

「どうされました?ここは、殆どが物置ですよ」

とても優しい声で私に尋ねる


「あっ、あの、道に・・迷ってしまったというか、なんというか」

「そうですか、ここは広いですし無理ありませんよ。よろしければジャックのところまでお連れしましょうか?」

「おっ、お願いします!」

うわぁ、ラッキー

昨日も助けてもらったし・・・もしや、私には神様の加護が?クリスマスなだけに・・・


「あの、大丈夫ですか?」

男の人が怪訝な顔で聞いてくる

「へっ?ひゃい。大丈夫です」

(うわー、私のバカ!ひゃいってなによ!」


私は、黙って男の人の後ろを付いていく

「そうそう、申し遅れました。私は、神矢かみや右京うきょうと申します。右京とお呼びください」

「あっ、私は」

「羽崎 亜衣・・・ですね?存じております」

私が名乗る前に右京が言った。


「なんで、私の名前を?」

と聞くと笑いながら

「ふふ、それは昨日あれだけ派手だったんですから・・・」


あっ、と私は昨日の出来事を思い出す。

鮮明に思い出される。

マリアが奏樺を殴って私の名前を呼んで・・・確かに派手だった。


「おそらく、この時間でしたらこの部屋にいるはずです。では、私はこれで」

「あ、ありがとうございます」

「いえ、執事ですから」

と言ってどこかへ行ってしまった。


(それにしても『執事』って言葉。結構用途あるなぁ)


などと思いながらドアを開けるとそこには・・・











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