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五想   ミキ

誤字脱字あったら教えてほしいかもです。

「それでは、皆さんパーティーを始めましょう!」

両頬にマリアの拳跡がついた奏樺が、ホールにいる全員に言う。

みんなが料理を食べ始める。


「亜衣・・・洋服に不備はありませんでした?」

きれいな黒い髪をした女の人が私に聞いてきた。

「ミキ?」

「はい。そうですが・・・なにか?」

「あ、の・・・服きれいにしてもらってありがとうございました」


お礼を言うとメイドさんは笑顔で

「いえ。喜んでいただいて何よりです」

と言い残すとどこかへ行ってしまった。


ミキ・・・か

ここにいる人ってホントきれいな人多いなぁ

ってか綺麗すぎっ!


なんてことを考えていると・・・

「ウィーッス、ヘイ亜衣!楽しんでるぅー?」

とマリアと奏樺がやってきた。

マリアは、なんと片手に瓶を持っている。


「亜衣、シャンメリーでもいかがです?」

「あっ、頂戴」

きれいなワインレッドの液体をグラスに注いでもらう。


「それで、もう7時すぎますけどお家の方は・・・」

奏樺が私に聞く

家・・・正直、こんな楽しい時間を過ごしてるのにいまさら一人あのさみしい家に戻りたくはない

でも・・・戻んなきゃいけないかぁ〜


「ちょっと、ちょっとぉ〜私から亜衣取らないでよぉ〜いいじゃないここに泊まってもらいましょぉ〜」

「ですけどマリア。彼女にもお家の・・」

「あっ、あのっ私・・・ここに泊めてもらえるんですか?」


二人が私の方を見てキョトンとしている。

「泊めていただけたら・・・嬉しいんです・・・ケド・・・?」

「良いんですか?お家の方は?」

「両親、海外へ出張で半年間帰ってきてないの」

「なにぃなにぃ〜それ、グッドよぉ〜決めたわ。亜衣学校始まるまでぇ〜私の部屋泊まりなさいぃ〜」


えっ?

えぇぇぇぇ!!

「良いんですか?ここに泊めていただいても?」

「何言ってんの?あたりまえじゃない〜」

「っていうか・・・マリア、貴方さっきから何あおって・・・ッ!!!」


ん?あれ?

マリアの持っていた瓶を見て奏樺がギョッとした。


「悠!!!ここです!マリアが一本目のドン・ペリニヨンを持っていました!!」

奏樺が叫んだ。

何だろう? ドン・ペリニヨンって

っていっぱい人が集まってきた。


「わわわぁぁあぁ!マリアッ!お前、これ空じゃねぇーか!?」

「ウワァァァン!ジャックが買ってくれたドンペリがぁぁぁ!!」

うわぁ、みんな悲惨な顔に・・・

それに・・・ドン・ペリニヨンってドンペリのことかぁ

ジャックが買ってくれたってどんだけ金持ちなんスか?


「お、落ち着いて。皆さんあと4本あります!マリアに取られぬよう死守を!」

「イエッサー!ジャック(奏樺)!」

「ふっふっふ。甘いわね。ジャック。この私からお酒を取ろうなんて」

そう言って近くのテーブルにある瓶に向かって一直線


「負けるかっ!」

と言って三人の執事さんたちがマリアの前に立ちふさがるが・・・一閃

吹き飛ばされる執事さんたち・・・哀れ


「僕が守りますッ!!!」

そう言って奏樺も後を追う。が、とても追いつけそうにない。

と思っていたら。


銀の指輪の付いている人差し指を前に振った。

その瞬間、瓶を載せたテーブルごと宙に待った。

テーブルはマリアの頭上を越え奏樺のもとに・・・す、凄いッ


「はい。悠。おそらくおりはまわっていないと思うのですが・・」

「おおっさんきゅー!ジャック!」

と言って逃げて行った。


「あの、今のは?」

「何がです?」

「今の!なんかテーブルが来たりしたアレ!」

「ああ、(シルバー指輪リングのことですか?」

ここでは日常的にあることらしい。


「よくわかんないけど、あれどうやったの?」

と私が聞くと両手の指輪を見せてくれた。

「これが僕の武器の一つで(ゴールド指輪リング(シルバー指輪リングです。二つとも特製の糸とおもりが内蔵されてます」

「ふぅん。金と銀はどう違うの?」

「銀はわざと切れ味を落としてますが金は・・・」

と近くにある瓶をとり


シュパンッ!

一瞬で瓶の先端が切断された。

「と、チタン合金製の特別な指輪です。指輪には約35m程の糸が内蔵されています。もっとも、手袋をつけてないと僕の手も傷つきますけど」

「じゃあ、さっき武器の一つって言ったけど他には?」

「鍼と薬物、ナイフにエアーガン、火薬に・・・」

恐るべきものを次々と上げていった。


「わああああッ!ストップッ、ストップだってばっ!」

「はい?どうしてです?」

天然なのかな?一般人に・・・火薬って危ないんじゃあ


「パパッー♪」

と、後ろで声がした。多分、椿ちゃんだろう。

振り向くと7人の子供が私の後ろに立っていた。


「椿、楽しんでます?」

「うんっ。楽しいよぉ」

可愛いなぁー、やっぱり子供は良いなぁ


「奏兄ぃー、ケーキまだぁ?」

と8歳くらいの男の子が奏樺に聞いた。

「皆さん。もう、デザートですか?」

「うんっ。もうケーキ食べるぅー」

「わかりました。持ってきます。亜衣、すみませんが僕が戻ってくる間この子たちを見ててください」

「う、うん」


私が、そう言うと奏樺は、どこかへ行ってしまった。

自然と私の周りに子供たちがやってくる。

「お姉ちゃん誰ー?」

今度は、7歳くらいの女の子が私に聞いてきた。

「ん〜と、奏樺の同級生・・・かな?」

「ふぅん、奏兄ぃの・・・」


不意に後ろから声がした。

「お待たせしました。デザートです」

振り返った私は思わず目を疑った。

私の眼に大型の3段ワゴンがあるのならまだいい

だけ・・・なら


そのワゴンに乗っていたのは、白と茶色のウエディングケーキ並の大きさのケーキ2つ

しかも、その下には普通のお店で売ってるようなホールケーキが5つ

さらに、その下にはポット5つと大量のティーカップ&ソーサーや食器類が目に飛び込んできた。


す、すごすぎる・・・

「さぁ、皆さん一人ずつ並んでください」

あっという間に子供たちが並ぶ

続いて、メイドさんや執事さんが並ぶ


15分後、瞬時に切り分ける奏樺のせいなのか持ってきた時の半分以下になった。

奏樺は、ケーキを切り分ける中、飲み物も同時に渡していた。


ようやく、おかわりの列も少なくなってきたころ

「亜衣ー。ケーキ、いらないんですかー」

と声をかけてくれた。


「もっ、もらうっ!」

と、私も急いで奏樺のもとに行く。

「どれがいいですか?ちなみに、これが僕の最新作なんですけど」

ホール型の果物がたくさん載ったケーキを指さす。

「じ、じゃあ。ソレで・・・って、これ全部奏樺が作ったの?」

「いえ、こっちの白いケーキはマリアが」

「へぇー、あっ私そのケーキ」

「はい。是非ご賞味あれ」


お皿に取ってもらって一口食べてみる

・・・美味しい

これは素直に言って美味しすぎるぅ〜

店開けるんじゃない?ってくらいだ。


「紅茶、何になさいます?」

「ふえっ?こ、紅茶?さ、さぁ?奏樺のお勧めでいいよっ」

「そうですか?では・・・」


そう言って、何かを注ぎ始めた。

辺りにはそこはかとないいい香りがしてくる。


「どうぞ」

一言そう言って紅茶を差し出してきた。

一口、口に含んでみる。


「美味しい・・・これ、なんていう紅茶?」

「プリンス・オブ・ウェールズです。簡単に購入できるのでここでは頻繁に飲まれますね」


ジャック―!と、後ろからマリアの声がした。


「私にもケーキ!」

というマリアの顔は、赤かった。

「飲みすぎじゃないですか?マリア」

「分かってるわよ。だから、もう全部やったの。だから私も紅茶!」

「了解です。アールグレイですか?」

「そぉよ!ほんっと、完璧すぎてムカつくわね」


はい、と奏樺が差し出す。

「そうそう、子どもたち。寝かす時間じゃない?」

「そう言えば・・・」

と、ポケットから懐中時計を取り出した。


「8時45分・・・ちょっと、行ってきますね」

またどこかへ行ってしまった。


「そう言えば、子供も結構いるんですね。ここ」

「そぉね。子育てしながらも働ける場所って言うの?」

紅茶を一口すすりながら言うマリアさんはどこか嬉しげだった。


「ほら、さっきこの屋敷ジャックが建てたって言ったじゃない。あれだけじゃないのよ。あの子がお金出してるのは」

「えっ?他にも?」

「実を言うとね・・・この屋敷の使用人全員はね、ジャックに雇われてるの」

「ふぅん?はぁっ!全員!?えっ?だって60人くらいいましたよね?」

驚く私を見てマリアは笑いながら

「ほんっと、面白いわね。そぉなの。でもね、みんな給料同じなのよねー」

「えっ?そんなの不満が出るんじゃ・・・」

「ところがねー何て言ったらいいか。あの子らしいけどね。全員、年収5000万なの。全く、ここで働いたら他の所じゃ働けないわよ」


5000万・・・・(汗)

うちの親が稼ぐ年収は、半分も期待できない


「奏樺ってどうやって払ってるんですか?」

「さぁ、聞いたことない。あっ、帰ってきた」


「ふぅ、やっと寝てくれました」

「お疲れー、じゃあ、私たちこれから部屋行くから」

「そうですね。お休みなさい。マリア。亜衣」

「お休み、ジャック。さぁ行くわよ!亜衣」

「へっ?どこふぇっ・・・」


またずるずる引きずられていく私

こんなことさっきもあったような・・・


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