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三想   マリア

私が、この屋敷に来て思うこと

それはこの屋敷が・・・広い!

ありえないくらいの広さだ。

たぶん・・・うちの高校くらいの広さがあるのではないかというくらいの広さだった。


「でも、災難だったわね〜イブの日に」

「ええ、でも二人に助けられたおかげで大丈夫です」

「そうそう、聞かなきゃいけないことがあったわ。あなたを客として扱うか家族として扱うか・・・どっちがいい?」


客として扱うか家族として扱うか・・・か

って『家族』として扱うって何?


「でも、ジャックのクラスメートなんだから『家族』でいいわよね?」

「は、はぁ・・・」

「ここにいるのは、みんな家族よ。とてもいい」

「そうですね」


まだ、1時間もたっていないがわかる。

みんな、とてもいい顔をしてる。


「そう言えば・・あなたの名前は?」

「へっ?えと・・羽崎はねざき亜衣あいです。」

「そう。とてもいい名前ね。私は、麻島(ましまマリア。ほら、ジャックと一緒にいた大きい男が私の旦那」

「えっ?そうだったんですか」

「そっ。さっ入りましょ」


私はドアを開ける。

そこは・・・とても広い浴場だった。

「ひ、ひろーいっ」

「すごいでしょ。ジャックのおかげよね」


いまだに黒織君=ジャックというのはよくわからない

「あの、どうして黒織君はジャックって呼ばれてるんですか?」

「ああ、あの子は、国によって名前が違うの。でも、私なんかはココ作るときに本国から引き抜かれてきたからね。ジャックって呼んでるの」

正式にはジャック・スペンサーだけどね、と補足してくれた。



私は、浴槽につかりながら質問を続ける。

(くぅー、足が伸ばせるお風呂ってさいこー!)


「黒織君って何してる人なんですか?」

「執事よ。一級執事。それから、あの子を呼ぶときは、奏樺そうかかジャックって呼んであげなさい」

「ええっ!?な、なにゆえに」

「プッ、かっわい―わね。亜衣ってばサイコーよ。ここではね、名前で呼び合うのよ。『さん』なんかもいらないの」

「で、でも・・・」


恥ずかしい。

名前で呼ぶってなかなか難しい。

しかも、『君』や『さん』をつけてはいけないのだから尚更だ。


「それが、ジャックの決めたルールだからよ」

「ルールって・・・」

「ここでは、ジャックの決めたルールは絶対なのよ」

「どうして黒っ・・・」

黒織君と言おうとして、止まった。

ああっ、マリアさんが期待の目で私を見てる。

言うのか?言うしかないのか?私


「ん?ん?どうしたの?亜衣。続きは?」

ニヤニヤしてる。絶対Sだこの人

半ばやけくそになりながら私は叫んだ。


「奏樺ッ!」

「ふふん。初々しいわねぇー」

「マリア、やめてください」

「あら〜?私に対しては難なく使えるのにジャックの時にだけなんで躊躇してたのかなぁ〜?不思議ねぇ〜」

(うわぁ〜ん。やっぱりこの人ドSだよぅ)


「ふふっ、冗談よ。ジャックはかっこいいもんね」

「冗談じゃなかったでしょっ・・・まぁ・・・かっこいいのは認めますけど」

「で・・どうして奏樺の決めたルールは絶対なんですか?」

「ああ、そんなのは簡単よ。この屋敷はねジャックの自費で建てられたものなの」


自費=ポケットマネー

自分で払うこと=お金持ち


「はぁっ!?この大きな家が?」

「そっ、家だけじゃなくて備品に至るまで大半が・・・ね」

「す・・・すごい。お金持ちなんですね」

「まぁね。子供の頼みで温水プール作っちゃうほどのね」

(すごい。そんなすごい人が同じクラスだったなんて。なんか彼のこともっと知りたいかも)



「じゃあ、一級執事っていうのは?」

「ああ、それね。ジャックは、ある家族に雇われてるの」

「ある家族?」

「それはまた別の機会に・・・んでその級別のことかな?昔は執事飼いはロイヤル執事だったんだけど・・・今じゃ羊飼いにひっかけて執事飼いなんて呼ばれてるわ」


表にするとこうなるらしい


最上級  執事飼い  ロイヤルメイド


上級   一級執事  一級メイド


中級   二級執事  二級メイド


下級   三級執事  三級メイド



「ホントはね〜ジャックにも来たのよ。執事飼いの話」

「えっ、なんで受けなかったんですか?」

「執事飼いはね・・・本国イギリス勤めだからね。それに椿つばきもいたし」


椿ちゃん・・・奏樺の子供?とされる子

これは、聞かなくてはっ!!


「椿って?どなたです?」

「ん〜ジャックの子ってことになるのかな?」

「えっ?実の子ってことですか?」

いやいや、年齢が

どう見てもあの子4歳だし

ありえないとは言えないけど・・・


「おっ、食いついてきたね。残念?だけど実の子じゃないんだよね〜これが!」

「じ、じゃあ、誰の?」

「ジャックの師匠って話よ。少なくとも本人の話によると。だけどね。残念だけどジャックの師匠については私も詳細は知らないの」

「そ、そうだったんで・・・」

なんか、ちょっとぼや〜っと


「亜衣・・ありゃ、のぼせちゃったかな。上がりましょ」

「す、すみません」

「いいの。いいの。ちょっと、話しすぎたわね」


脱衣所に来るとだんだん回復していった。

ふぅー、何か涼しくて気持ちいいー


「はい、これ。誰かが洗っててくれたみたいよ」

「わぁっ、すごい。泥がない」

私の服は泥汚れのすごいところまできちんとあらわれてシミひとつなかった。

「たぶんミキね。あの子洗濯好きだから」

「へぇっ、いろんな人がいるんですね」


うん、縮んでない。

さすがメイドさん。すごすぎる!

「さぁ、行くわよ。今日はジャックが腕によりをかけたらしいからぜひ食べていって」

「は、はい」


こうして、ずいぶんと仲良くなった私とマリアは、みんなのいるところへと向かった。





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