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ヴァルハラゲート  作者: taxi
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因縁の再開


「な、なんなんだ、アイツは!?」


衝撃的な登場シーンで現れたユウキ・ヨコシマをみて、

ヨシアキは驚きが隠せなかった。



「よう、ナツキ元気にしてたか?

 つむぎも少し見ないうちに大きくなって、

 母さんに似てべっぴんさんだ!」


ユウキは馴れ馴れしく、ナツキに話しかけた。



「ヨ、ヨコシマ・・・何故ここがわかった?」



ユウキに話しかけたジャックは、

怯えからなのかかすかに唇を震わせ、目を見開いたままだった。



「そりゃー企業秘密だね。なんたって俺の脅威は、アンタだけだ。

 アンタを消すためなら、俺はなんだってする。」



「クッ・・・」



ジャックは言葉を発することができず、

愕然と頭を下げた。




「すまんな、久々の再開なのに、汚ねぇオッサンに水が差されちまった。

 つむぎー、こっちにおいで」



ユウキは手を広げ、つむぎに近付いて行った。

つむぎは脅えた様子を見せ、ヨシアキの服を強く握り締めた。



「こっちに来るな!つむぎが脅えてんだろ!?」


つむぎを抱きしめて、ヨシアキはユウキを威嚇するように叫んだ。

しかし、周りの脅えように、ヨシアキは強い脅威を感じていた。



「無理すんな、兄ちゃん、声が震えてるぜ?

 心配すんなよー、父親が娘を抱っこするのに、

 なんの問題がある?

 っていうかさー、俺の娘を強く、つよーく抱きしめてるお前、、、、

 、、、、

 、、、、

 お前一体誰だよ?」



ヨシアキはユウキに髪の毛を鷲掴みされた。

時間にして1秒も経っていない。

10mほど離れた距離を一瞬で移動し、

ユウキはヨシアキの目の前まで移動してきた。


ヨシアキはここでユウキはただの人間じゃないことを悟った。



頭髪を鷲掴みされた、ヨシアキは痛みで顔を歪めたが、

つむぎを離さなかった。



そのまま持ち上げられ、ヨシアキの体は宙に浮いた。



「お兄ちゃん・・・」


心配そうな顔でつむぎがヨシアキの顔をみた。



「つむぎがお前の娘ってどういうことだよ・・・?」




「ちっ、俺の質問は無視かよ!まぁいい教えてやる。

 そこにへたり込んでるナツキと俺が高校の時に作った子が

 つむぎだ。まぁ作ったっていうより、俺の一方的な愛を

 ぶつけただけになるのかな?昔のナツキ可愛かったもんなぁ。」


ユウキがナツキを見ると、ナツキは目を合わせるのを避け

下を向いた。



「女は色々抱いたが、ナツキが一番だったなぁ。

 良い女は、嫌がってる時も良い顔をするんだよなぁ。

 お前にも見せてやりたかったよ。

 凛としたナツキが、最後に屈服して

 俺に身をゆだねる姿を・・・。


 それでさ、それでさ、俺急に強くなっちゃうんだもん。

 ナツキは本当に女神さまだよー」



ヘラヘラと笑いながらユウキが言ったことで、

今までとの話が繋がった。

ナツキさんを襲ったのはコイツなんだ。

コイツのせいでナツキさんは不幸になったんだ。





でも、つむぎは、、、



つむぎは不幸の産物だっていうのか。



つむぎの顔を覗き込むとそこには表情がなかった。


あの可愛いつむぎがこんな顔をするなんて。



ヨシアキの体は、怒りで震えてきた。

こんなこと許せるわけがないよな・・・。

ヨシアキは先ほどまでの恐怖が嘘のように、

憤りを抑えることができなくなった。


「ヘラヘラ笑うんじゃねぇ・・・。

 お前がつむぎの父親なら、つむぎがこんな顔するわけがねぇよ。

 つむぎはな、誰にも負けないくらい無邪気で可愛い笑顔ができるんだよ。

 お前にそんな顔みたことあるか?

 ないだろ?そんな奴が父親名乗んじゃねぇよ。

 俺が誰だって?教えてやるよ。


 俺は、つむぎ、そしてナツキさんの家族だ。」




ヨシアキはユウキにそう言うと、

今度はつむぎの目をみて優しく言い聞かせた。


「大丈夫、約束したろ?

 つむぎのことは俺が守る。

 ずっと守ってやる。」



するとつむぎは、目に涙を浮かべ、

嬉しそうに、ただ少し複雑な表情をして言った。


「お兄ちゃん、お願い・・・

 つむぎとママのことを助けて・・・」



つむぎは賢い女の子だった。

自分から出る父親の面影を

ナツキに感じさせないようと必死に振る舞っていた。

しかし、その呪いのような関係のせいで、

彼女たちは幸せになることはできなかった。

そして、偽りかもしれないが家族ができた。

それをまた父親が壊そうとしている。



そんなことはさせられない!




ヨシアキはつむぎを強く強く抱きしめた。

そしてヨシアキから出た涙がつむぎの頬に零れ落ちた。











突然、全く音がしなくなった。

そして、体が宙に浮いているような感覚になった。

瞬きをし、ぼやけた視界を鮮明にさせた。

するとそこは真っ白な空間だった。


後ろを振り返るとそこには大きな門のようなものがあった。

2階建ての家ほどの大きさに見えた。



「こ、、、ここは一体どこだ?

 つむぎは、みんなは?」


突然の状況の変化にヨシアキは混乱した。



すると門の横にマネキンのようなものが座っていた。



ヨシアキはマネキンに近付いて行った。


それに気が付いたマネキンは体を起こし、

ヨシアキに向かって話しかけた。




”ようこそ!ヴァルハラに選ばれしものよ 

 君に会うのは二度目だね ”



マネキンは二度目と言ったが、

ヨシアキは全く身に覚えがなかった。



「ここは一体どこなんだ?」



 ”ここはヴァルハラの入り口だよ。

  このゲートを越えればヴァルハラに行ける。

  つまりは、生き様が判断される場所かな。

  人間は「真理」って言い方もするかな。 ”



「俺は前にも、ここに来たことがあるのか?」


 ”うーん、説明が面倒だね。

  僕の顔をよく見てごらん  ”



ヨシアキがマネキンの顔をゆっくり見ると、

少しずつ表情が浮かび上がってきた。


「こ、これは・・・」



マネキンの顔がヨシアキと同じ顔になった。



「僕の目をよく見てごらん。

 何が見える?」



ヨシアキが目を合わせると

刺す様な頭痛がした。

すると、徐々にヨシアキの頭に血が巡り、

感覚が鮮明になっていくのを感じた。



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