~特殊解謎捜査室~
署に着き、車を降りて三島とアゲハの後ろについていく。
しばらくしてある部屋の前に止まる。
(・・・『特殊解謎捜査室』?)
そう書いてあるプレートが貼ってあった・・・つーか名前がまんまだ。
「ああ、いまからこの中に入ってもらうんだけど・・・」
三島が苦笑いしながらそう言ってきた
「けど?」
「三人ほど俺の部下がいるんだけど・・・うち二人が個性的だから、頑張ってね」
「個性的?」
そう聞き返すと
「あぁ、あいつらか・・・とりあえずあってみろ。すぐにどんなやつかわかるぞ」
と、アゲハが言ってきた
「じゃ、開けるよ」
キィィィィとドアが開いた。
部屋は資料棚みたいなのとデスクに椅子といういかにもな感じだ。
「今戻ったよ、今日は黒井はもちろんだけど新人君も来てるから、挨拶しようか」
「はい」「は~い」「へ~い」と、三様な返事が聞こえてくる。
中に入ると女二人と男が一人いた。
「じゃあ、いきなり康弘君にやらせるのもあれだし、まずは・・・」
と、言いかけたところで、部屋の奥の方から
「俺俺!俺からやりま~す!!」
そう言ったのは、スーツを着崩していかにも遊んでいそう・・・というかなんというか、チャラい男だった。
しかもうるさそうだなぁ・・・。
「今、うるさそうだなぁ、とか思ったな?それで間違いないぞ!俺は秋月凱斗!主にパソコンで出来る作業はなんでもやるぞ!よろしくな!」
(仕事内容が大雑把すぎて分からん・・・)
「あぁ。よ、よろしく。秋月さん」
「凱斗でいいよ」
「じゃぁ凱斗さんで」
「おっけー!」
凱斗と挨拶を交わすと
「あ!じゃあ次あたしね!」
元気溌溂という言葉が似合いそうな女が言ってきて、いきなり後ろから抱き着いてきた。
「ちょっ!?」
「あたしは双海紫!結構いい男だねぇ。」
「い、いきなり何を・・・!?」
なんだろう、人懐っこい猫みたいな人だ・・・てか背中の、この感触・・・大きくてやわらか・・・!!
(って、そうじゃない!)
「は・な・れ・ろぉ・・・」
「にゃはは!ジョーダンだよぉ。新人君よろしくね~!」
「は、はい・・・よろしく。双海さん」
「あたしも双海、じゃなくて紫~!」
「は、はい、よろしく。ふた・・・紫さん」
(個性的なやつの一人はこの人か・・・)
そうして紫をひっぺがして、挨拶を交わしたところで
「最後は私ですね。」
と、クールなメガネの女が
「来栖美紀です。そこのお二人よりは頼りになれると思いますよ」
凱斗と紫を見ながら言った
「はぁ・・・」
「私は主にここ、『特殊解謎捜査室』の資料の管理をしています。何か分からないことがあれば、なんでも聞いてくださってかまいません」
「ありがとうございます。」
(クールだが、いい人そうだな)
「それでは、よろしくお願いします」
「よ、よろしくお願いします。くるsッ・・・来栖さん」
(痛い舌噛んだ・・・来栖ってちょっと言いにくいな)
「呼びにくいようでしたら、私も美紀で構いませんよ」
「あ、そうですか。じゃぁ、お願いします。美紀さん」
・・・って
「どうしたんだ?アゲハ、三島。さっきから笑って・・・」
「いや、どうしたも何も私と三島に対してはため口のくせに・・・」
「秋月君と双海くんと来栖くんに対しては敬語なんだなぁ・・・って思って」
「なっ、それはあれだ!えっと・・・」
「なんだ、言ってみろ」
「なんとなくだよ・・・」
そう答えると・・・二人とも「ぶふっ―」とか吹き出しやがる。腹立つな。
すると凱斗が
「別にためでいいよ。その方がこっちとしても気使われてない感じがして気楽だし~」
と言って、続いて紫と美紀も
「そうだね、私もいいよ~」
「それもそうですね。貴方の話しやすいしゃべり方で結構ですよ」
と言ってくれたので
「じゃぁ、そうさせてもらうよ」
会話がひと段落したところで
「あ、新人君の名前聞いてないよ三島さん?」
と、紫が言った。
「あ、そうだったね。じゃぁ康弘君よろしく」
「ああ」
そう言って一歩前に出て
「俺は、天城康弘。情報系のN大に通ってる。このくらいでいいか?」
「うん、大丈夫。ほかの事はそのうち分かってくるしね」
三島がそう答えた。・・・それもそうだな。
「さて・・・」とアゲハが
「今日はあの男の『謎』を解くんだろう?」
「そうだね、康弘君のお手並みの拝見したいからね」
三島が答えると
「え?康弘君のお手並みってなに?三島さん」
紫が聞き返すと、三島が説明を始めた
「その話なんだけどね実は・・・」