~覚めた夢~
あぁ、暗い、真っ暗だ・・・。何も見えないし、身体の感覚もない。
「・・・ろ」
今、何かが聞こえたような・・・
「・・・いか!」
やっぱり、誰かの声が聞こえる・・・
「・・・ひろ・・・・・・やすひろ!」
俺の、名前・・・?
「さっさと起きないか、天城康弘!」
(はっ・・・!)
と、俺は目を覚ました。
さっきの夢とは全く違う・・・柔らかい。ベッドの上か?
「天城康弘。やっと目を覚ましたか」
「とにかく、目が覚めてよかった」
なんとなく聞き覚えのある、女と男の声に、全く見覚えのない天井。
ゆっくり起き上がるとそこは――病室のような場所だった。
「痛ッ・・・!?」
頭痛がひどい・・・
「大丈夫か?」
顔をあげると目の前に女の顔があった。こいつは・・・あぁ、黒井アゲハとかいう女だ。
「大丈夫そうだな。よかったよ。」
そして、この微妙に聞き覚えのある男の声は、三島剛毅か。
「あぁ、どうも・・・」
俺が困惑していると、二人は何やらこそこそと話しだした。
「なぁ、どこだここは?」
俺が二人に尋ねると、三島が答えた
「ここは中央病院だ。」
「なんで俺、病院なんかに?」
「君と話をしようと思ったら、いきなり倒れたんだ、さすがの私も驚いたぞ。」
「そういえばそうだった・・・すまん、ありがとう」
俺は一応、感謝と詫びの言葉を言っておいた
「いや、例はいらない」
とアゲハが返してきた。
「それで、俺となんの話をしたいんだ?俺は何もしていないが?」
俺が聞くと
「あぁ、そう急がなくていいよ」
三島が言って、更にアゲハが
「そうだな、無事ではあるようだが、体調も万全じゃないだろう。病院側に確認したところ明日にはもう退院だそうだしな」
そうゆうことで、今日はゆっくり休んで話は明日にすることになった。
(・・・そういえば、二人がこそこそと話してたのはなんだったんだ?)
きっとそれは明日、話を聞けばわかるのだろう。
今日は一日で色々な事があった。整理する時間もほしかったから、ありがたかった。
今日あったことを整理しながら、俺は・・・眠りに落ちた。