表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
舞う黒蝶は『謎』喰らうⅠ  作者: 夜暮橘花
2/10

~視えたもの~


「うぅ・・・」


小さなうめき声と共に俺は目を覚ました。


さっき起こったことは覚えてる。

黒井アゲハという女と三島剛毅という男に会ったこと。

そして、あの放心状態だった男と目が合った途端、何かのイメージが見えて、俺の意識が途切れた事。

何もかもが理解できない・・・


にしても、背中が固い、床か?

見覚えのない天井。何処か、別荘のような・・・

流石に身体を起こして辺りを見渡すとそこには


(血の海・・・!?)


視界に入ってきたのは、まさしく『血の海』。その一言に尽きる。


さっき見たイメージはこれか・・・本当に血だまりそのものかよ・・・

そしてその中心には、女性――身長は160ちょっとで大体四十代後半だろうか――と、少女――この女性の娘だろうか、八歳ほどに見える――が、血まみれで横たわっていた。

その前には、さっきの男が立っている。


男は笑いながら・・・


「清子、唯・・・ごめんな、ごめんなぁ・・・父さん、どうしようもなかったんだ・・・フフッ・・・ハハハハ・・・!」


(何なんだこいつ・・・狂ってる・・・)


いや、そんなこと考えている場合じゃない。

この女性と少女を殺したのは、おそらくこの男だ・・・こんな場面を見て見てしまったのを男に気づかれてしまえば・・・すぐさま俺を殺そうとするはずだ。

幸い、男はこっちに気づいていないようだ。

俺はドアへ走り、開けようとした・・・しかし、開かない。窓もだ・・・。

待てよ?あの男は二人の警官に捕えられた筈だ。こんなことあり得ない。

少し、落ち着いた。

すると男は俺の方を向き、俺は男の笑っている顔を正面から見ることになった・・・。

男は俺の方に歩いてきて、手を伸ばした。

しかしその手は俺の体をすり抜け、後ろにあったドアノブに手をかけた。

そのまま男は放心状態で部屋を出て行った。

ゾッとした・・・俺に気づいていたわけじゃないのに。

いや、そんなことより、男の腕が俺の体をすり抜けていた。

ああ、どんな状況か理解できた。なるほど、夢だ。



そう思った瞬間、再び俺の視界は黒く染まり・・・意識が・・・・・・途切れた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ