第4話 紹介だけでは終わらない
下着が散らばった状況をなんとか回避(僕と起きた狸寝入りしていたらしい副会長とで片付けた。会長は一歩たりとも動こうとすらしなかった)してから幾分かして生徒会の面々がそろった。
「それで、どのパンツが好みなんだ?少年」
この脳細胞が桃色を通り越した色濃い名状し難い歩くセクハラマシーンは生徒会会長を務める朱月冴夏。
口が動く度にセクハラと思える言動をする、なんで会長になれたか不思議な生徒ならぬ性徒な模範からずれる人だ。
「それはもちろん私の穿いてる下着ですよね」
どこがもちろんなのか僕には理解しかねる。
この会長とは別のベクトルで脳内桃色のお花畑な人は副生徒会会長、宮永桃香。
会議などでまとめ役として活躍する尊敬すべき人なのだが……どこか気が抜けていて、何かと付けて僕のことを愛とかで絡みに来る困ったちゃんだ。
「先輩方、何を仰っているんですか。下着なんてただの飾り。本当の好みは私自信ですよね、悠人先輩?」
そしてこの真面目そうに見えて実はおバカな生徒会書記の華妃野諳は一年生で生徒会に入った優等生だ。だが字も綺麗で努力家の秀才なのに、欲でおバカにしか見えないのが珠に瑕だ。
僕は普通に先輩として威厳見せたいのに…。
「……スカートの中は乙女の神秘。悠人が望むなら上も……やん」
この半眼で本気かどうかわかりかねるボケを連発するのは学校の資産を握る生徒会会計の依代依。
計算だけは他に引けを取らない優秀な人材なのに、言うこと言うこと色が付いてすごいのかわからなくなる。
「……というか」
僕は痺れを切らした。
「下着とかパンツ以前に、ちゃんと生徒会の仕事しましょうよっ!!」
最後に生徒会雑務の僕、時峰悠人は無理矢理強引のこの地位に連れ込まれたこの色ボケ共の突っ込みを担当する平凡な編入生。
僕は声を張らしてこの生徒会の駄目さを改めて実感したのである。