第2話 入室だけでは終わらない
僕がいつものように生徒会室に入ると、色とりどりの布……女性用の下着がばらまかれていた。
どうしたらこうなる……。
僕は呆れ返った。
「あ、悠人さん」
「あぁ、副会長。どうしてこうなったか知ってい――」
僕が頭をあげると共にふくよかな柔らかさと石鹸のいい匂いが僕を包み込んだ。
「あぁっ、悠人さんっ。会いたかったです。どうしてこんなにもいとおしいのでしょう。そしてどうしてこんなにも私は罪作りなんでしょう」
「 」
それと呼吸を奪われた。
息苦しく、すっぽりその豊満な胸に収まり息することさえままならない。
僕は抱き付かれている。それは誰もが羨ましく思うことだろう。そしてされたいと思うだろう。
だが、されてる側はどうだろうか。嬉しい反面、とても苦しいのだ。天国に行ったと思ったら地獄が待っていたような、そんな感覚。
それを羨ましく思うのはその人しだい。
「うふふ。悠人さん。言葉が出ない程そんなに私の愛に恥ずかしがるなんて……なんてかわいらしいお方なんでしょう。実に私を興奮させます」
……もうそろっと僕は天に召されるようです。ほら、見てごらん。一面いっぱいにお花畑が咲いているよ。
「そこらで離したらどうだ桃香」
あれ、どこかから会長の声がする。
「そんな会長、殺生なっ。私から悠人さんを奪う気ですか。だけどそうはさせません。今日こそは悠人さんと愛で結ばれるのですからっ」
「ふむ。そうか。お前がそこまで言うのなら仕方ないな」
「……あぁ。やっと私の悠人さんへの愛の深さをわかってくれたのですね会長っ」
「あぁ。わかった。お前がそこまで悠人を愛していたんだな。……殺したい程に」
「そ、そんな殺したいなんて……私はただ悠人さんと甘い蜜月の中で添い遂げたいだけですっ」
「だったらそいつを離しやれ。……今にも死にそうだ」
「――え?はっ。悠人さん?悠人さんっ?悠人さーーんっ!」
短い間でしたけど……みなさん、ありがとうございました。