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ハーレムエンドでは終わらない  作者: 宛 幸
ドキドキ!?ビーチ編【強化合宿・一日目─前半─】
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第22話 披露するだけでは終わらない

 いつか会長が言っていた夏休み強化合宿が実行されたのは、夏休みの終わり頃である8月25日から27日の二泊三日。ちょっとした旅行だ。

 合宿地はフレッシュ如月ビーチという個人営業されてる海。泊まる場所も確保済みだそうで、僕達生徒会+α一行は荷物をまとめてから海岸へと来ていた。

 ちなみに貸し切りで、僕達以外には海周辺に生息する生物の他には皆無だ。

「ほーほっほっほ。ようこそおいでまし。ワタクシの所有しているビーチへ」

 提供者はこの人、閣利沢愛子(かくりざわあいこ)

さん。会長を戦友と書いてライバル(自称)としているらしく、今日は仲良くなる為の交流会というわけで私有地であるここを快く貸してくれたのだ。

 髪は金髪で口調は高飛車なお嬢様だが、根は優しいのは話していてよくわかった。

「さぁ、合宿はまだ始まったばかりだ。序盤は大いに楽しみ、こうして集まってくれた諸君らの交流を深めようではないか」

 会長の音頭で各々の返事をし、一部は除いて女性陣は着替えをしに海の家の隣に設置されている更衣室へと向かって行った。

 一部はというと、その場で服を脱いで最初から着込んでいたらしい水着を披露していた。

 生徒会書記の華妃野諳(あん)さんに妹分の沙奈(さな)、引率として来た夢前(ゆめさき)のえる学園長とクラスメイトの彩調葉子(さつきようし)さん、あとは風紀取締委員副委員長の千道寺(せんどうじ)先輩辺りだ。

 他の女子のみなさんはしばらくしたら来るだろう。

「ワクワクするよな。こういうイベントって」

「そうだね。しかも選り取り見取の女の子達ばかりだからね。心踊るよね」

「ああ。俺はもうたぎって来たぜ!」

 男子の面子は僕とこのスポーツ少年の戸田克義(とだかつよし)君、あとは一応にゃむ君こと本名は成島治(なるじまおさむ)さん。……のはずだったんだけど、にゃむ君……実は女の子だったらしく(言葉遣いや容姿で騙されたね。いやはや)、いやいやながらも女子更衣室へと女性陣に混じって向かった。それも月島さんと日和さんに引っ張られる感じで。

「いやぁ、実にハーレムで嬉しいぜ」

「僕的にはもう少し大人しめでよかったんだけど」

「それはなにか?生徒会の面々だけでお腹いっぱいってか?この女ったらしめっ」

「僕にはそこまで言われる意味がよくわからないよ……。というか違うよ。ただこうやって大勢でのイベントってのは新鮮でさ、楽しいのもそうだけど……やっぱり僕にはもったいない気がして。そう思うと企画してくれた会長達に申し訳ないというかなんというか、恐縮しちゃってさ」

 少ない人数でのどんちゃん騒ぎなら結構してたけど、今回のような大勢の人数は初めてで戸惑ってしまう。

 楽しみで胸がざわついて仕方ないってのもあるんだけど。

「だったら思いっ切り楽しんじゃおうよっ。ね、はるとくん」

 目の前には子供が着そうなピンクのワンピースタイプの水着を来たのえるさんが後ろに腕を組んで立っていた。

「そうだぜ時峰。俺達には楽しむ義務があるんだ。むしろ楽しまないと損だぜ」

「そうそう。かっつんの言うとーりっ」

「え。かっつんって俺っすか?」

「うん。克義だからかっつん」

「なんか照れるな」

「にゃはは」

 確かに楽しまないと損だね。

 笑ってる二人の姿を見てそう思えた。

「……は、悠人先輩…っ」

「ん?」

 振り向くと顔を赤くした嵐咲(らんざき)ユリアちゃんの姿があった。

 着ているのはネームに『ゆりあ』と大きく書かれたスクール水着だった。それも、白いマニア向けっぽいやつ。

「ど、どうでしょうか……」

「えっと」

「……やっぱり変、でしょうか?」

 モジモジと恥じらい手の指先を合わせてる姿は実にかわいらしかった。

 できればこのまま抱き締めてやりたかったが、それはとある称号を押されるであろうからどうにか留まった。

「変ではないよ。似合っていてかわいいよ。ユリアちゃん」

「あ、ありがとうございますっ」

 パアッと笑顔になる。

 やはりかわいい。

「ユリアちゃんばっちぐーっ。選んだ甲斐があったってものだね」

「のえるさんの仕業かっ」

「仕業だなんて失敬な。私が模索した結果これが一番似合うってビビっと来たんだよっ。このビビっとセンサーでね!」

 ビビっとセンサーって……。確かに頭に長いアホ毛が二本立っているが、それが探知機よろしく動くわけでもあるまいし。

「小さい身体に秘める可憐さに飾るのはその純真なかわいさ……なんと、天使はここに舞い降りてなさっていたか……っ」

 戸田君はなんか変なスイッチ入ちゃっているし。

「ひうっ」

「ユリアちゃんが怖がってるから変なこと言うのやめろよ」

「変なことなど言ってない。俺は純粋に感想を述べただけだ」

 ドヤ顔で言うのやめろよ。

 ユリアちゃんは戸田君を警戒し、僕の後ろへと隠れる。

「大丈夫だよ。言動はあれたけど、いい奴だから。こいつは」

「……は、はい」

「はるとくん過保護だねぇ」

 のえるさんがニヤニヤとこちらを見ている。

「別にそんなこと……」

「あ、他の奴等も来たみたいだぜ」

 戸田君が指を差す。

 そこには正に色とりどりの女の子の水着姿があった。

「悠人さ~~んっ。愛してます~~~っ!!」

 手を振りながら小走りで変なことを口走っている生徒会副会長宮永桃香先輩。

 そのたわわに実った果実のような双丘は白のビキニには収まり切れず、そこから出ようと言わんばかりに揺れて弾ける。

 それを食い入るように見るのは正直者な戸田君であった。

「宮永先輩っ。待ってくださいーっ」

 その後を追うのはクラスでのいつものメンバーの一人の綾未麻瑠(あやみまる)さん。

 着ているのは水泳部が使っていそうな競泳用の水着だった。意外とスレンダーな体つきの綾未さんによく似合っていて、気が付くと見とれていそうになっていた。

「あんなにはしゃぐなんてまだまだ子供だねっ」

「ふふ。泳ぐ気満々で準備万端なコラムには負けると思うけど」

「二人共……やっぱりボクにはこんな水着似合わないよ。というか、ボク水着なんて着なくてよかったんじゃ……」

 次に出て来たのは日笠日和(ひがさひより)さん、月島(つきしま)コラムさん、にゃむ君の一年生組だった。

 日和さんは黒中心のセパレートタイプ。落ち着いた性格に大人っぽい水着はよく似合っていた。月島さんは浮き輪にゴーグルとイルカの浮き袋を担いでいた。確かに月島さんは子供っぽ差では充分負けてない。にゃむ君はストラップレスタイプ、肩に紐がないやつの水色の水着を着ていた。髪が短い分、逆に素肌(主に肩)を強調してるのはなかなか魅力的だ。


「おにぃちゃんっ。一緒に遊ぼうよーっ」

「そうだぞ~っ。遊ばないと、もったいないぞっ。時峰くん」

「先輩~。やっほ~~っ」


 先に浅瀬で遊んでいた三人が遊びの誘いをかけて来る。

「モテモテですな。はるとくんは」

「まったくだ。俺にも分けてほしいくらいだ」

「……暑いなー」

 海パンにパーカーという僕の姿は空に輝く太陽の姿には負ける。女の子と比較すると影に及ばす、むしろ隠れてどこかに消えるので比べようとは思わない。

 ちなみに戸田君はブーメランパンツ一丁だが、なぜだかは僕が知る由もない。だが似合っているのがなんか癪。

「少年。泳がないのか?」

 ――ふに

 背中に柔らかい感触が貼り付いて来た。

「うわっ」

 慌てて僕は飛び退く。

「会長、脅かさないでくださいよ……」

「ふむ。ドッキリは大成功のようだな」

 胸を強調するように腕を組んで仁王立ちする会長はイメージ通りの黒――ではなく、情熱の赤だった。もちろんビキニではあったけど。

 そういえば桃香先輩が見えないけど、どこに行ったのかな?さっきまでこっちに手を振っていたけど。

「というか、毎回変わるんですね。会長の水着って」

「うむ。今日は合宿ということで勝負水着なのだよ」

 なにと勝負するのか、なんてのは愚問なんだろうな。いろんな意味で。

「悠人先輩っ」

「あ、紅爛さん」

 西田さんこと西田紅爛(にしだくらん)は、風紀取締委員の委員長をやっており、一年生ながらも充分に仕事をこなしている僕にとって見習うべき女の子だ。

 なぜかは知らないが、みんなは西田さんと呼び、本人は紅爛という名を嫌ってはいるが、僕には呼ぶことを許してくれている。それだけ信頼されていると言うことだろう。うん。

「あ、あの……」

「ん?どうしたの?」

「……あ、いえ」

 どこか落ち着かなそうにしている紅爛さん。

 そんな紅爛さんはフリルが付いたタンキニタイプ。上下にフリルが付いていて、ポニーテールで凛とした顔付きの彼女には一見似合わなそうだが、実際に見てみると、どこか幼さと可憐さが相まって絶妙にマッチしている。

「大丈夫。似合ってるよ水着」

「べ、別に褒めてほしかったわけではないですが。……そうですか。似合ってますか」

 僕の感想にいやがる様子はなく、むしろ嬉しがっているのか頬を緩ませる紅爛さん。

「ほーほっほ。ワタシの前にこぞって這いつくばりなさい」

 最後に出て来たのは閣利沢さん。

 僕は目を反射的に反らす。

 だってそんな露出少な目に出て来ると思わないじゃないか。紐だけのような三角ビキニで。

 露出度だけなら他に引けを取らない。

「ヒーローは遅れて出て来るものだ」

「誰がヒーローですかっ。どうせならワタクシはヒロインでありたいですわ」

「無理だな」「無理があるな~」「無理があるかと…」

 会長、のえるさん、ユリアちゃんまでもが遠慮がちだけど閣利沢さんヒロイン説を否定する。

 確かに僕も無理があると思うけど。そんなにはっきりと言うこともないと思う。

「あいこちゃんはだっちかと言う悪のヒロインかな~?」

「それは同感だな、学園長。愛子に正義のヒロインは向かない」

「……悪役、似合いそうです」

「お黙り!」

 ――ひゃうっ

 ユリアちゃんだけ閣利沢さんの一喝に縮こまって僕の後ろへと隠れる。

「ワタクシが悪役など言語道断。訂正を要求致しますわ」

「無理だな」「無理だね~」「……む、無理です…っ」

 またも三者否定意見。

 というかさすがというかなんというか、ばっさりと切るとになんの遠慮も躊躇もないな。

 ユリアちゃんは遠慮気味だけど同感みたいだし。

「~~~~っ。もういいですわ。あなた方を相手するのは不毛なだけですわ」

 それだけ言い残すとこの場を優雅な足取りで立ち去る閣利沢さん。

「逃げたな」「逃げたね~」「……逃げました」

 ……おいおい。

 でもまぁ、今のところ特に問題はない。

 このまま楽しく合宿が終わればいいと思う。

 だけどそうもいかないのが世の情けなんだよな……。はぁ。

 今回はまだ出ていなかったキャラと出番を増やしての総出演ですね。(まだキャラいるけど)

 なんか忘れている気がするのは気のせいということで。

 毎回ぐだぐだなのは気にしませんっ。

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