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プロローグ
僕は特に記述する程の美も力も特色もないただの平凡な思春期に入った少年のはずだった。
――高校生になるまでは。
「ちょいと少年。裸になってくれ」
「会長ずるいですっ。さぁ、私の胸に飛び込んで来てください悠人さん。私はいつでも愛を持って迎え入れます♪」
「何言ってるのでしょうか先輩のみなさん。悠人先輩はあたしの“もの”です。そこを勘違いしないでください」
「……悠人。スカートの下、興味……ない?」
……これが僕の新しい学校生活だと言うのか…。
なんて悩ましい……。
「……あの、あまりみだりに色気付かないでください。生徒会なら生徒会らしく、自重するべきだと僕は思います」
……そう。ここは生徒会室で、生徒会のメンバーが働く場所だ。僕はなりゆきでここに来た哀れな存在。
代われるものなら誰か代わってくれ。
僕は別にハーレムなんて特記なものは望んでいないのだから。