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★ 五話
突如聞こえた妹の悲鳴に、僕と樹里は急いで綺来ちゃんの部屋へと駆けた。
とは言っても、マンションの一室の廊下だ。走るというよりは急ぎ足と呼ぶべきだろう。
例えそれでも、綺来ちゃんの部屋に着いた時、その状況の酷さに、僕は思わず意識を手放しそうになった。少なくとも、足からは完全に力が抜け、その場に座り込んでしまった。僕の隣にしゃがみ込んで声も発せず泣きだしている百弥にすら気が向かないくらい、僕はその光景を見て動揺していたのだと言えよう。
それはなぜならば。
残酷に。
冷酷に。
厳酷に。
しかし必要以上に暖められたその部屋の中で、ぽつりと。
暮乃綺来が、死んでいたのだから。




