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ネオンの絆禁断の愛

2087年、ネオンが脈打つメガシティ「新東京」。超多様性社会では、遺伝子改変が日常で、愛の形も無限だ。だが、旧世代の倫理は根強く、禁忌の愛は冷遇される。

カイ(24歳)は、義足のサイバネティック技師。義妹のミオ(20歳)は、脳にナノチップを埋め込んだハッカー。二人は孤児として育ち、過酷な下層スラムで生き抜いた。カイは家族を守るため、ミオは兄を支えるため、互いに全てを捧げてきた。

夜のスラム、ネオンの光がカイの義足に反射する。彼は廃工場の作業台で義体の修理を終え、ミオが差し出す缶コーヒーを受け取る。

「カイ、遅いよ。心配したんだから。」ミオの声は軽やかだが、瞳は真剣だ。紫の電光が走る彼女の髪が、チップの感情を映す。

「ごめん。仕事が立て込んで…」カイは目を逸らす。ミオの近さに、最近、胸がざわつく。

二人は10年前、ギャングの襲撃で両親を失った。以来、カイはミオの保護者として、過酷なスラムで働いた。ミオはハッキングで情報を盗み、兄を支えた。互いの傷を癒す夜、抱き合うことでしか眠れなかった時期もあった。だが、カイは気づく。ミオへの愛が、家族を超えていることを。

ミオは違う。彼女は自分の愛を自覚していた。「カイ、私、決めた」と言う。彼女は、カイの前で膝をつき、義手の指で彼の手を握る。「私、カイのこと、兄妹じゃなくて、愛してる。ずっと、こうやってそばにいたい。」

カイは凍りつく。「ミオ…ダメだ。世間が、こんなの…俺たちは家族だろ?」旧倫理の呪縛と、ミオを傷つけたくない思いが、彼を締め付ける。

ミオは笑う。だが、瞳に涙が滲む。「新東京じゃ、遺伝子改変の恋も、AI同士の愛も認められるのに、なんで私たちの愛はダメなの? 私、カイの幸せが欲しいだけなのに。」

その夜、カイは眠れない。ミオの言葉が頭を巡る。スラムの雑音の中、彼は過去を思い出す。ギャングに襲われ、ミオが震えた夜。彼女を守るため、カイは右足を失った。ミオは彼を救うため、危険なハックに身を投じた。互いの苦難が、絆を深めた。

翌朝、カイはミオを廃墟の屋上に連れて行く。ネオンの海が広がる。「ミオ、俺…お前の気持ち、受け止めるよ。」彼は震える声で言う。「俺も、お前をただの妹じゃなくて、愛してる。怖いけど…一緒に、乗り越えたい。」

ミオの瞳が電光を放ち、涙が溢れる。彼女はカイに飛びつき、抱きしめる。二人はキスを交わす。ネオンの光が、禁断の愛を優しく包む。

「カイ、どんな世界でも、私、君と一緒なら幸せだよ。」ミオが囁く。

カイは頷く。「俺もだ、ミオ。」

新東京の超多様性社会で、愛の自由を掴んだ二人は手を取り、未来へ歩む出す。

END

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