第35話 王国の未来。そして…
ヴァナヘイム帝国との交渉も終わり、マルティア諸島も返還されて戦後処理も落ち着きを見せている。天城、葛城及び駆逐艦4隻からなる第一航空戦隊は王国海軍に転籍し、イヴァレーア軍港を基地に沿岸警戒の任に着くとともに訓練に勤しんでいる。
また、戦争終結とともに、戦時召集された兵の中には、自分の技術を市井で活かそうと希望して退役した者も多く、王国の支援を受けてトリアイナ市を始めとする各市町に住居を構えて日本の伝統技能を生かした手工業を行う者、飲食店や和洋菓子店、理容店等を経営したり、中には豆腐や味噌醤油の醸造所を造った者もいて、それぞれ新たな人生を歩み始めている。
さらに、王国は農林業に従事を希望する者のために、トゥーレ島やテティス島に広い開拓地と住居を用意して入植させた。入植地には小さな日本人町が出来、彼らを慕うトリアイナ人や帝国軍の捕虜のうち、祖国に戻るのを拒否した者の多くも集まって、米や小麦、野菜栽培のほか牧畜業等が行われている。
そんなある日、元主計科中尉で現在は国立大学で教鞭を取っている伊達政輝は、トリアイナ王城からの呼び出しを受けた。城門に続く坂道を歩いていると城門近くで不意に声をかけられた。
「伊達君じゃないか」
「菅谷さん。お久しぶりです」
伊達に声をかけてきたのは天城航空偵察隊の彩雲搭乗員、菅谷満大尉(中尉から昇進)だった。
「大尉に昇進されたんだそうですね。おめでとうございます。菅谷さんがトリアイナ市に来るのは珍しいですね。何かお城に用事でも」
「ありがとう。いや、理由はわからないが国王様から急に呼び出しをくらってな。遥々イヴァレーア基地から馳せ参じたんだよ」
「国王様から呼び出しを? 実は私もなんです」
「君も? うーむ、何だろうな」
呼び出された理由が全く分からず城門で警備兵に来訪の理由を話すと、話が通っていたらしく直ぐに国王付きの執事が出てきて二人を中に案内した。
「こちらです」
執事は豪華な装飾がされた扉の前まで案内すると、コンコンとノックをして二人が来たことを告げる。直ぐに中から入るようにと声がかかった。執事が扉を開けて中に入るように促す。二人は訝しながら中に入って驚いた。部屋の奥では国王フェリクス三世と王妃マグダレナ、長兄アーサー王子と妻のアリステア、次兄ジェフリー王子と婚約者のクリスチーネ嬢がずらりと並んでいて、その前に美しいドレスで着飾ったベアトリーチェとディアナが立っていた。何故か彼女達の顔は緊張しているように見える。
「伊達政輝、お召しにより参上いたしました」
「同じく菅谷満参上しました」
「おお、よく来てくれた。伊達殿、菅谷殿」
二人が名乗りを上げるとフェリクス三世は相好を崩し、少々大袈裟な身振りで二人を迎え入れた。伊達と菅谷がキョトンとしていると、フェリクス三世はコホンと咳払いをして語りかけてきた。
「二人を呼び出したのは他でもない。余の娘、ベアトリーチェとディアナの事なのだ」
「はあ…」
「………」
朴念仁の伊達は間の抜けた返事をするが、菅谷は以前ディアナから貰った手紙の事を思い出して身構えた。フェリクス国王は伊達と菅谷の前に立つとそれぞれの肩に手を置いてにこやかに、とんでもない事を言ってきた。
「実はな、ベアトリーチェが伊達殿を、ディアナが菅谷殿を好いておるようでな。どうしても貴殿らの妻になりたいと言って聞かんのだ。もし、その気があるのなら娶ってはもらえんだろうか。貴殿らにとっても悪い話ではないと思うが」
「親の贔屓目もあるかもしれませんが、リーチェもディアナも美人でいい子ですよ。料理も上手ですし家事全般も人並み以上に教え込んでおります。お嫁さんとして最高の子達と思いますわよ。それとも、何か不満とかあるのかしら」
マグダレナがニコニコ笑顔で凄い圧をかけてくる。断ったら許さないぞと無言で伝えているようで、伊達と菅谷は何も言えない。二人はちらっと、ベアトリーチェとディアナを見るが彼女たちは顔を真っ赤にさせてじっと自分達を見つめている。国王と王妃が下がると今度は長兄アーサーが伊達に近寄り、肩を抱いてベアトリーチェの前に連れて来た。
「伊達殿」
「はい」
「妹をどう思う?」
「どうと言われましても…。そうですね、芯が強くて自分の意思をしっかり持った素晴らしい女性だと思います」
「いやいや、そうではなくてだな。女性としてどうかと聞いているんだ」
「女性として…ですか」
「うん。ベアトリーチェは我が妹ながら男勝りで喧嘩っ早く、色気が皆無で男にモテなくてな。父上や母上が見合の話を持ってきてもずっと突っぱねて来て、結婚は無理かと皆諦めていたんだ。あまりにも男に興味が無いので、実は女装した男じゃないかと親兄弟で話し合っていたくらいなんだ」
「はあ…」
伊達がチラッとベアトリーチェを見ると、凄い顔でアーサーを睨んでいた。しかし、伊達と目が合うとたちまち顔を真っ赤にして俯いた。ころころ変わる表情に伊達は小さく笑いを零した。
「ところがだ! 見てくれ伊達君、ベアトリーチェを。どこから見ても女だろう!」
「私は今モーレツに感動している! あのベアトリーチェが、言い寄る男を回し蹴りでぶっ飛ばしていた男勝りの妹が恋する乙女に成り下がったのだ! 伊達君に振り向いてもらうにはどうしたらよいか思い悩んで母上に相談した時の顔! 伊達君に見せてあげたかった。いやマジで」
「お兄様。もう止めてください。恥ずかしいです!」
「と、いう訳で妹は君と結婚したがっている。貰ってくれんだろうか」
「伊達様。初めてお目にかかった時からリーチェは貴方に恋をしてしまいました。リーチェは貴方を愛しております。妻になりとうございます。私と結婚…してくださいませんか」
伊達はじっとベアトリーチェの顔を見た。彼女は頬を真っ赤に染めながらも不安そうな顔で伊達を見ている。実は伊達もベアトリーチェを好ましいと思っていた。艦隊の補給を任された伊達を一生懸命に補佐し、無理な要求も聞き入れて関係者と折衝してくれた。戦争が始まると日本の方だけ危険な目に遭わせられないと、無理を言って大和に乗り込んで来た。その一生懸命さにひかれて行く自分があった。しかし…。
「私もベアトリーチェ様を好ましく思っています」
「では!」
ベアトリーチェはパッと顔を輝かせた。しかし、伊達は首を左右に振った。
「私は異世界から来た人間で、皆様からすればどこの馬の骨とも分からない、得体の知れない者です。そのような人間が王族の女性と結婚することが許されるはずがありません。ベアトリーチェ様にはその身分にあったお方と結婚するのが望ましいでしょう。申し訳ありません…」
「そ、そんな。どうして…」
断られるとは思わなかったベアトリーチェは今にも泣き出しそうな顔になった。娘の肩を優しく抱いたフェリクス三世は伊達向かってはっきりと言った。
「それなら心配ない。貴殿がリーチェと結婚したら伯爵位を与えるつもりだ。この国を救った貢献に報いたいと思っている。それに、異世界の貴方とリーチェが結婚する事は国にいとって大きな意味を持つ」
「大きな意味…ですか?」
「そうだ。これからはトリアイナの民と日本から来た救世主達が手を取り合ってこの国を繁栄させていかなければならない。多くの国民は君達を好意を持って迎え入れているが、やはり気味の悪さを感じている者もいる」
「そうでしょうね。仕方のない事だと思います」
「だが、余としては日本の方々と国民との融和を図っていきたい。そのためには国民に対するアピールが必要だ。リーチェと伊達殿が結婚すれば王家が率先して融和を図っている事が国民に見えるだろう。だから、余としては何ら問題ないと思っている。むしろリーチェと結婚してくれないか」
王妃マグダレナもアーサーもうんうんと頷いている。こうなれば断ることはできない。伊達は覚悟を決め、自分の気持ちに決着を付けようと考えた。
「わかりました。私からお願い致します。ベアトリーチェ様との婚姻をお許しください。ベアトリーチェ様、私と結婚してくださいますか」
「はい。はい。喜んで! リーチェは伊達様の妻になりとうございます! 嬉しい…」
「よかったわね、リーチェ。幸せになるのよ」
「はい!」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「さて、融和政策には伊達殿とリーチェの結婚だけでは不足だな」
フェリクス国王はニヤリと笑みを浮かべて菅谷を向いた。菅谷は「ついに自分の番が来たか」と思った。ちらと伊達を見ると「覚悟を決めろ」とばかりに小さく首を振った。
今まで姉の様子を熱い眼差しで見ていたディアナがツツ…っと菅谷の前に進み出た。菅谷を見上げて目いっぱいのいい笑顔でズバリと言って来た。
「菅谷様。ディアナをお嫁さんにしてください!」
「い、いや…。申し出は有難いのですが、小官は28ですし、ディアナ様とは歳の差がありすぎるのでは…。ディアナ様には相応のお方が結婚相手にふさわしいと思いますが」
「なに伊達様と似たようなことを言っているのです。ディアナは16になりました。もう結婚できる年齢です。ディアナは菅谷様をお慕い申し上げております。愛があれば歳の差なんて関係ありません!」
「いや…その…」
真っ赤な顔で結婚を迫るディアナの前に、歴戦の操縦員である菅谷もタジタジとなってしまう。さらに、追い打ちをかけるようにアリステアとクリスチーネが助っ人として参戦してきた。
「菅谷様、ディアナ様は飛行機械に初めて乗せていただいた際、自分の体調を常に気遣ってくださったこと、帝国艦隊を発見して褒めてくださって嬉しかったこと、対空砲に襲われた時も冷静沈着に対応して危機を乗り切ったことで、菅谷様の事が頭から離れなくなってしまったようなのです。所謂一目惚れってヤツですね。ウフッ、可愛らしい」
「以前、ディアナ様からラブレター貰ったことがありませんでしたか?」
「確かにありました」
「何故お返事を下さらなかったのです? ディアナ様、それはもう落ち込んで見ていて辛かったのですよ」
「いや、その…。ああいうのは、慣れていなくて…」
「言い訳は無用です。責任を取ってディアナ様と結婚なさるべきです!」
「なんで、そうなるので?」
ディアナが菅谷に縋り付いて自分を妻にしてほしいと、涙を浮かべてお願いしてきた。必死に懇願する顔を見ていると心が揺らぐ。国王夫妻と目が合うと「早く返事を」という視線で圧をかけてくる。もう逃げられない。確かにディアナは可愛い。日本でもこれほどの美少女はいないだろう。しかも、性格も明るく勇気も度胸もあり、人当たりも良いことから万人に好かれる。そのような娘が自分を慕っている。菅谷もまた覚悟を決めた。
「ディアナ様。私は無骨者で気の利いた言葉を発する事が出来ません。ですからディアナ様と同じように直球で答えます。ディアナ様、私と結婚していただけますか」
「は…はい! 喜んで!!」
「うむ! 万事丸く収まったな。早速婚礼に向けて準備を進めなければ。采配はマグダレナ、任せて良いか」
「はい陛下。良かったわね、リーチェ。貴女が伊達様が女子大生に盗られちゃうと泣きながら来た時はどうしようかと思ったけれど、思いが通じて良かったわ」
「お、お母様。その話は…」
「うふふ。リーチェとディアナのダブル結婚式にしましょう。さあ、忙しくなるわ」
王家の人々は輪になって色々と準備に向けた相談を始めた。伊達と菅谷は早くも蚊帳の外になり、その輪の外でただ突っ立って様子を眺めていた。
「伊達君、これは国王様にしてやられたな」
「そうですね。でも、ベアトリーチェ様とディアナ様の嬉しそうな顔を見れば、これで良かったのかも知れません」
ベアトリーチェとディアナが二人の許に駆け寄って、それぞれの想い人の手を取ると輪の中に連れて行った。その顔は平和の世になって生涯の伴侶を得た幸せに満ち溢れていた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
さらに数か月が経過して季節は冬から春になった。春の花々が咲き乱れる暖かな日、王宮では王女ベアトリーチェとディアナの結婚式が盛大に執り行われた。しかも、その相手は異世界から来訪してこの国を帝国の脅威から守った艦隊の乗組員であることが国民を驚かせ、そして歓迎された。幸せそうな二人の王女の姿に国民は祝福を送るのであった。
ある日、トリアイナ市の郊外に立つ瀟洒な家屋に一人の女性が訪れた。呼び鈴を押して出て来た使用人に来訪を告げると、間もなく目的の人物が姿を現した。
「アリオン兄様、お久しぶりです」
「フレイヤ。よく訪ねて来てくれた。さあ、中に入ってくれ」
「ありがとうございます。アーシャもお久しぶり」
「いらっしゃいませ。フレイヤ様もご健勝そうで何よりです」
王国への亡命を果たしたアリオンは一緒について来てくれたアーシャと結婚した。そして、たっての願いで退役した伊藤整一中将の住居の近くに家を構え、日々、異世界の情勢や文化、軍事等について教えを乞うている。
「伊藤提督は素晴らしいお方だ。知性、見識全てに見習うべき事が多い。日々勉強させてもらっているよ」
「ふふ、お兄様は帝国にいた頃より生き生きしていますわ」
「そうかも知れないな。それより、お前はどうなんだ。異世界の男性と結婚したと聞いて驚いたぞ」
フレイヤは戦闘で墜落した際に負った怪我の後遺症もあり、軍属への道は閉ざされてしまった。彩雲搭乗員の島津少尉は影日向なくの彼女の生活を助け、いつしか二人は恋仲になり、つい先日結婚式を挙げたばかりだった。
「夫は実直で優しく、ユーモアもあって素晴らしい人です。帝国にはいないタイプの男性です。私にとても良くしてくれるの。毎日が幸せなの」
「よかったな。安心したよ」
二人の話は自然にこの地に残った主要な人物について及ぶ。帝国は無血クーデターによりリヒャルド皇子が権力を掌握し、皇帝ヘルモーズを退位させて新たな皇帝となった。
コーゼル准将は王国海軍に身を置くこと許され、第一航空戦隊司令部幕僚として席が用意された。また、リヒャルドの差配により家族が王国に送りだされたため、家族と再会することができ、子供達はイヴァレーアの学校に通うことになって友人もできたらしい。
エレン・ミュジアン元大佐は軍属を退き、王国からの支援金で基金を作るとトゥーレ島の日本人入植地に参加した元帝国兵の支援を行っている。ちなみに、40歳前で独身だったエレンは入植した日本人の一人と結婚したとのこと。
「帝国人もこの国に馴染んで来た。この国じゃ人として生きることが実感できる。帝国では望み得なかったことだ」
「本当です。私もここで結婚までするとは思いもよりませんでした」
二人はアーシャの入れてくれた紅茶を飲みながら日が暮れるまで語り合った。これからの未来に向かって歩むべき道を…。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「大和」
日本海軍が建造した世界最大最強の戦艦。太平洋戦争末期の昭和20年4月7日、沖縄へ海上特攻隊として向かったはずが、突然の重力異常に巻き込まれ、時空結節点を飛び越えて異世界に現れた。その後、僚艦と共にこの世界の最強艦隊と艦隊決戦を行い、勝利した。
現在はイヴァレーア軍港の片隅でその巨体を静かに休ませている。戦闘で破損した部分は塞いだものの、失った上部構造物の復旧は叶わず、主砲弾の補給も不可能であるため、王国側と協議の結果、記念艦として改装工事の後、保存することが決まっている。このため、乗組員の一部は他艦に異動して艦隊勤務をしているが、ほとんどは退役して入植地に入って一次産業に従事し、技術を持つものはトリアイナ全土に散ってその技能を生かした職に就いている。また、トリアイナ人の女性と結婚して家庭を築いた者も多い。
無人となった大和の羅針艦橋に一人の人物がいた。彼の名は有賀幸作。日本海軍大佐で大和の艦長だった人物だ。今は第一航空戦隊の作戦参謀に籍を置いているが、王国海軍の艦隊運用に関する教官として、主に王国兵の教育に携わっている。
「久しぶりだな、大和…」
有賀大佐は艦橋の窓辺に歩み寄って、もう火を噴くことが無い46センチ三連装砲塔を見下ろした。砲塔には所々焼け焦げた跡がある。ヨルムンガンド級の魔導砲を受けた痕跡だが、分厚い装甲板は魔導砲をすべて跳ね退けて見せた。
「あの時、俺もお前もアメリカ軍の攻撃で沖縄の海に沈むはずだった。だが、運命とは予測できないものだな。まさか、地球とは別の星で戦艦同士の砲撃戦を繰り広げるとは、お前も想像できなかったろう」
語りかけても大和は返事をしてくれない。しかし、有賀大佐は大和は自分の話を聞いてくれているような気がしている。
「どうだった、大和。俺としてはお前が持てる力を全て使って、敵の戦艦と殴り合う光景に胸が躍ったよ。これが戦艦同士の戦いだとね。そして、46センチ砲が敵艦を沈めるにあって思ったのだ。「よく見ろ、これが大和だ」ってね。やはりお前は敵艦と戦うために生まれたのだ。この世界に来てよかったと思ってるのではないか」
有賀大佐は艦橋の羅針儀を撫でて、大和に感謝の気持ちを伝えた。そして、羅針艦橋を後にすると防空指揮所に登った。爽やかな海風が頬を撫でる。有賀大佐は胸いっぱいに潮風を吸った。
「これだよ。この空気だ」
空は何処までも青く遠くまで続き、太陽に光を反射して風波がキラキラ光っている。それは役目を終えて眠りについた大和をこの世界の海が労わっているように感じられるのだった。
「ゆっくり休めよ、大和…」
有賀大佐が小さく呟いた時、大和の上空を艦上偵察機の彩雲が軽快なプロペラ音を響かせながら水平線の向こうに飛び去って行った。大佐はその姿が見えなくなるまで見送るのだった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
トリアイナ王国は新たに異世界から来た日本人を迎え、新たな未来に向かって歩み始めた。平和で豊かなトリアイナ王国は一体どのような未来を歩むのだろうか。それは誰にも分からない。
一方、ヴァナヘイム帝国では新たな指導者の下、人民統制を進め、周辺諸国の反乱鎮圧と軍事力強化に向けて動き出したという情報も入っている。しかし、帝国領フリッツ諸島の非武装中立化とトリアイナへの戦時賠償金の支払いは帝国の経済に重い影を落とし始めている。しかし、これで当面トリアイナ方面は平和が保たれるはずだ。当面は…。
そして時は流れ…。




