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死んだ僕は死にきれない  作者: さむねこ
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目の前のこと

ドス。ドス。


何回繰り返されただろう。

3秒もたたないうちにこの音が繰り返されている。

―――いつ終わるのだろうか。


ひたすら待っていても、


ドス。ドス。ドス。


目が開けば変わるのだろうと思ったが周りは真っ暗である。


ドス。ドス。ドス。ドス。ドス。


正直に言うと飽きた、音が繰り返されているというだけでなにも進展がないのだ。

次に僕は下半身を捻る。


ドス。ドス。ドス。


───なにも変わらない。

下半身はダメなのかと全身ごと左側に転がる。


「逃げて!」


──女の声が聴こえたあとに、


ドス。


進展はあったがすぐに同じ展開で少し痛みも加わる。

――痛みも加わるのは想定外だったな。

と思いながらも状況を整理してみた。


僕は誰かに殺されているが完全に殺されきれていない。 

なんと殺される前の3秒をずっとループしている。

殺されないためにはどうすればよいか痛みが追加されたあとの事を考え、

勝手な事をしないよう慎重に行動をするようイメージをしてみる。


全身が転がった、ということは寝ていて拘束されていない状態。

そして女性の声が聞こえたあとに殺された。

しかし殺されるまでの秒数が増えてるということは、

若干は正しい方向に進んでいるのだろう。


だがこの後にどこに進めば分からない、目を開けても真っ暗なのだから。

今回寝転んだのは左側ということは殺される僕は、左側に転がったあとにすぐ立ち上がり、

女性の声が聞こえた方向に進んでいけば良いということだろうか?


とりあえず細かいことは考えず、次に音が聞こえたら行動を移すことにした。

それが軽薄な考えだったと気づくのはだいぶ先のことだった。

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