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後編07 曾我十郎祐成①

「兄上!兄上!」


「どうした、とら。また飴玉でも落としたか?」


「なっ。私はもうそんな子供ではありません。それに私は虎ではなく、曾我五郎時致という立派な名前があります。」


とらはぷりぷり怒っている。可愛い。


俺の名は曾我十郎祐成。

義父の曾我祐信と小太郎義兄上(あにうえは、昨年の一の谷の戦いの後も鎌倉に行って戻ってこない。


俺ととらの本当の父河津祐泰は、俺たちが小さい時に、工藤祐経って野郎に殺されちまった。

母上の再婚相手の義父上に引き取られて育ててもらったが、俺はいつか工藤をぶっ殺し仇討ちをしようと思っている。

だから、今日も朝から剣の稽古に励んでいる。


それなのに義父は鎌倉の頼朝に尻尾を振って、工藤と味方同士になっちまった。

気に食わねえ!


でも、いつの日か……。


「兄上、大変です。実は……。」


こいつは妹の俺より二つ年下の妹のとら。今年で12になろうというのに、女らしいことは何もしやがらねえ。

俺の真似して刀や弓の稽古ばかりしている。


とうとう、曾我五郎時致だなんて偉そうな名前を勝手に自分に着けちまいやがった。


困ったやつだが……可愛いな。

 人形のように整った顔立ちで、将来母上似のべっぴんになると喜んでいたら……、今日も鎧なんて着込みやがって……。これはこれで可愛いな。


「兄上!聞いてますか?」


「え!?ああ聞いてるよとら。お前は今日も可愛いな。」


「な、何を言っているのです。お客様ですよ。3人連れの侍が3人。兄上に話があるとのことで表でお待ちです。」


「なんだと、そういうことは早く言え。」


 義父と義兄がいないこんな時に来客とは……。


 稽古の邪魔しやがって。

 怪しいやつらだったら叩き斬ってやろうか。


 そう思いながら俺は館へと歩き出した。

 後ろをとらがちょこちょことついてくる。

 可愛い。


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