悶絶!? 劣情VR無限地獄!(天国?)
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日間ジャンル別ランキング100位以内から一回外れて持ち直してまたランキング入りしました。
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金髪美少女に連れられて校舎内を歩いていく途中。
僕はその背中に尋ねる。
「あの……そういえばあなたのお名前をお聞きしていませんでした。 僕はどうやら角田正彦というらしいのですが、 あなたの名前をお聞きしても?」
「……」
「あの?」
「……茨」
「茨さん。 とても素敵な名前だ。 僕の幼馴染らしい方と名前が似ているのですね」(気づけ)
「……!」
美少女が僕に振り返ってにらむように僕を見つめる。
「あの……茨さん?」
「……やめて」
茨さんの表情がどんどんと曇っていく。
というより何かを悲しんでいるように見えるが理由が検討もつかない僕は押し黙る。
「……正彦に……正彦が私を……」
(呼び捨て? 知り合いだったのか? しかし美しい声色だ、まるで天使たちが合唱を――以下略)
そう言って踵を返すとまた歩を進める茨さん。
硝子さんの時もそうだが、一体僕の態度に何が問題だったのだろう。
ぼっちだった意味もなんとなく理解してきた。
僕には他人が何で怒っているか理解できないらしい。(この場合仕方ないのでは?)
知り合いらしいけど、関係性を尋ねるには空気がものすごく冷たく感じる。(元の正彦は空気読めないのではなく読まない)
金髪美少女について歩いていくとたどりついた場所。
そこは生徒会室ではなく理事長室だった。
「理事長室? ここに入玲さんが?」
こくり、と可愛らしく頷ずき、鞄から紙とペンを取り出して何かを書き出すと僕に渡す。
『入玲先輩は昼休みよく理事長室にいます。 理由は知りませんが』(めっちゃ綺麗な字)
僕が読み終えたのを確認すると茨さんはそのままその場を去ろうとする。
怒ってる理由もわからないが、まずはお礼を言おうと呼び止める。
「あ……茨さん!……」
呼び止めて、振り返った茨さんの頬を伝う宝石のような涙。
わけもわからずに戸惑っていると茨さんは僕に近づき、細くてかよわそうな印象の拳を振り上げると――
ポスっ
と音を立てて僕の胸に振り下ろす。
「あの……茨……さん?」
「…!!…」
ポスポスポスっー!
僕の胸にしがみつきながら何度も何度も拳を振り下ろす。
理由がわからず戸惑うから何かしてしまったかと思い尋ねる。
「すみません……茨さん……僕またなんかやっちゃいました?(伝統芸)
「〜〜!っ……正彦にだけは……そんな風に呼ばれたくない……!」
そう言って茨さん?(なんて呼べば?)は走り去っていった。
なんだろう、この感覚は?
肉体的には全く痛くないのに、心にぽっかりとブラックホールを(以下略)
結局僕にできるのはその心の痛みに耐えて理事長室に入って自分の正体を探ることだけだった。
ーー理事長室にてーー
「うわぁ!」
理事長室に入った僕は先ほどまでのシリアスとは打って変わって一瞬で劣情に駆られる事となる。
「あれぇ? 角田くんだ。 こんな時間に理事長室にくるのは珍しいねぇ」
ミニスカートに身を包んだチアリーダー姿のギャルが鮮やかなポンポンを振り上げながら挨拶してくる。
彼女の脚は長く美しく、スカートの裾から覗く白いショーツが彼女の美しさを一層引き立てている感じだ。
おへそ丸出しの衣装で近寄ってこられると、あまりの衝撃に直視できず、目をそらしてしまう。
そらしても部屋内には何人ものチアリーダーギャルたちがそろっていてどこを見ても劣情だらけ(?)だった。
「あ、あの! 僕は入玲さんという方に会いに……」
「角田くんが私に会いに? 珍しい事もあるもんだねぇ 今は理事長と一緒だから後でもいぃ?」
「構わぬ。 正彦とやら、 存外ここにたどり着くのが早かったのぅ」
理事長室は、大理石で装飾された高級感のある部屋だった。
天井は高く、一面に並べられた本棚や美術品が置かれた棚が部屋を飾っている。
大きな机が中央に置かれその後ろには重厚な椅子が置かれている。
その重厚な雰囲気の椅子に腰かけているのはミニスカの巫女装束をまとった銀髪のロリッ娘。
その横に佇んでいる執事服姿でオールバックが似合う切れ長イケメンの男性、そしてチアリーダーギャル軍団たち。
僕の呼びかけに返してくれたのが恐らく入玲さんだろう。
「たどり着く? 一体どういう事ですか! それにこの痴女軍団は一体!?」
「角田くん。 私たちは普通にウチの高校のチアリーダー達だよ。 これで劣情感じてたら甲子園とか見れないと思うよ」
入玲さんの話を聞いた僕は一つの記憶が呼び起こされる。
(くっ……まただ。 この感覚は……?)
あれは甲子園のTV中継。
9回裏、1点リードの状況で二死満塁。
4番バッターが最後に回ってきてしまったピッチャーの表情、を移すのではなく、祈るように両手を胸の前であわせているチアリーダーがアップで移されていたことを。
なんというか、四面楚歌のその状況でもはやダンスして応援できる余裕もなくなっている必死な表情が劣情ポイントを更に尊いものとしていたことが思い出される。
「甲子園? 野球中継は一切見ないでチアリーダーが画面に映る瞬間だけ探していた? この記憶は……? 一体誰の……?」
「間違いなく角田くんの記憶だろぅねぇ。 幼馴染ちゃん達以外にもちゃんと劣情は催すんだねぇ?」
突然呼び起こされた記憶に頭痛のようなものを感じ頭を押さえる僕に対してロリっ娘が追及してくる。
「それじゃよ」
どれじゃよ。
初対面なので頭の中だけで不躾な返答は頭の中のみでする。
「その者の劣情は極めて強い。 劣情を武器としてきた一族の長たるわっちがちょっと引くぐらい並外れておる。 だのに、記憶を失う前のこやつはその劣情に抗い、あまつ幼馴染の三人にしか劣情を催さない歪な存在であった」
「三人? 硝子ちゃんと茨ちゃん以外にも彼には幼馴染がいるんですかぁ?」
「ええっ! 茨さんが僕の幼馴染!? 僕の幼馴染は『タカネノイバラヒメ』という名前では?」
「……そこまで情報得ていたなら普通に気づきなよぉ。 話が進まないなぁ。 私今の話の流れだけで角田くんが記憶喪失なの理解したんだけどねぇ。 それで理事長もう一人というのはぁ?」
茨さんはやっぱり僕の幼馴染だった。
驚いている時間も与えられずに状況は進んでいく。
「ふっ……それはまさひことやらに聞いてみるがよい。 もっとも高校全体にかけた術式よりも、その者にはより強固な術式を組み込んだ故、 何も思い出せんだろうがの」(劣情系はちょいちょい思い出してるが)
なんとなくだが掴めてきた。
まず、このロリっ娘はこの高校の理事長(ありがちな設定だなぁ)
そして、おそらく僕の記憶を奪った張本人というわけだ。
そして気になるのは僕には硝子さんと茨さん以外にもう一人幼馴染がいるらしい。
クラスの男子生徒も入玲さんもその存在には気づいていないらしいが。
もう一人の幼馴染と聞いて僕は急に焦燥感に駆られる。
記憶を失う前にその子が劣情に駆られる様子で……いや、ピンチだったんじゃなかったか?
「ぐっ これは……エ〇ゲにでてくる触手? だ、だめだ思い出せない」
「ほう。 劣情をきっかけにわっちの術式をほころばせるとはの。 これは本当に逸材かもしれぬ。 紅龍! 急ぎこやつを劣情VR室につれていけ!」
「はっ」
あと少しで記憶の糸口がつかめそうな僕をよそに、ロリっ娘に促され、執事服姿の紅龍と呼ばれた長身の男が僕の前に立つ。
「貴様のような人間風情におばば様は一体何を期待されているのか……ついてこい」
「まってください! 何か、僕にとって本当に大切な何かを今思い出せそうなんだ! はなしてくれ!」
僕の制服の胸倉をつかんで無理やり個室ビ〇オ室に連れて行こうとする紅龍という男にぼくは抵抗する。
だがその瞬間周りにいたチアガールたちがボンボンを振り回して僕の応援を始める。
「フレーフレー! マサヒコ! がんばれがんばれマサヒコ! フレフレ劣情!フレフレ劣情! わー!」
ミニスカート姿で交互に天井へむけて足を突き上げると健康的な太ももがあらわになり、スカートから純白が見え隠れすると『見せパンいうけどそれって下着と何がちゃうねん』という気分に強制的にさせられる。
瞬間的爆発力の高い劣情に僕は目まいを覚えてその場に立つことすら困難になる。
「く……思い出す事に……集中できない」
「手間をかけさせるな。 いくぞ」
僕の胸ぐらを再度つかみ別室へ連れて行こうとするホンロン。
正常を保つのが困難極めるこの状況で冷静なホンロンに対して僕は疑問を吐き出す。
「あなたは……こんなチアリーディングな状況で……いったいどうやって……平静を保っているんだ?」
「オレは子供の頃からおばば様に育てられてきた。 オレの性癖はとっくに歪んでいる。 だが安心しろ。 オレのジャンルは女児ではなくロリババアだ。 現実にはいない(?)」
その答えを受けて僕は絶句する。
とんでもない事案だ。
理事長と呼ばれたロリっ娘もドン引きしている。
だが惜しげもなく、恥ずかしげもなく性癖を披露できるこの男の胆力に圧倒されたのと。
「フレフレ劣情!フレフレ劣情!わー!」
目の前に広がるパラダイスを目にして、多幸感に包まれた僕はそのまま意識を手放した――(最近すぐ気絶するな)
ーー劣情VR室にてーー
「起きろ」(バケツ水バッシャーン!)
「う……」
バケツ一杯の水を容赦なくぶちまけられて、冷たい水が体中にしみわたり、僕は思わず体を震わせる。
薄暗い地下室のようなところで目を覚ますと、ゲーミングチェア(結構いいやつ)に手足を縛られて僕は身動きが取れなくなっていた。
「目覚めたようじゃな」
目の前にはロリっ娘理事長とバケツを手に持ったホンロンの姿。
「水ぶっかけられたらそりゃ起きるよ」などとは言わずに改めてロリっ娘理事長に目的を尋ねる。
「ここは……? 僕をこんな所に連れてきてどうしようというんだ?」
「ここは劣情VR室。 わっちの術式と最新VR技術であらゆる劣情を可視化させる場所じゃの(やはり普通の個室ビ〇オでは?)」
「そんなものを見せていったいどうしようというんだ……(僕の性癖丸バレになるじゃん)」
僕の疑問を受けてロ理事長がくつくつと笑いながら答える。
「言っただろう? 貴様の劣情は人並み外れておる。 劣情を武器とする我が一族にぜひ引き入れたい。 そのために孫娘の婿となってもらう」
「孫娘……?」
その言葉に確かな引っ掛かりを覚える。
僕には大事な人達がいた。
今それははっきりと確信した。
だが、記憶は陽炎のように揺らめいてはっきりとしない。
「そう。 貴様にはこの劣情VR室でその劣情を更に高めてもらい、 そのうえで婿として我が一族に引き入れる。 だがの……」
あくまで見た目とは不釣り合いの高慢な態度で話し続けてきたロ理事長が少しだけ表情に影が映る。
「わっちも孫娘は可愛い。 あの子の思い人である貴様がVR室の劣情に耐え、 わっちの術式に抗いあの子の元へたどり着ける、 それほどの逸材であれば孫娘の悲願を叶えてやらんでもないと思ったという事かの」
ロ理事長はよくわからんが、人とは違う一族というものの長らしい。
その一族は劣情を武器(?)としていて、劣情の強い僕(褒められてる?)を婿として引き入れたいが、反対の感情もあるということか?
その孫娘が僕の幼馴染なのか?
様々な疑問が入り混じっているとロ理事長がまた見た目とは不釣り合いなくつくつと高慢な笑いを浮かべる。
「孫娘の所に行くのであればあまり時間はないぞ。 あの子があの子でいられるのもな……そして貴様が今から味わうのは根源的劣情、生半に抗えるものでもない。紅龍」
「はっ」
ロ理事長に促されホンロンが僕にVRゴーグル(なんかお札がいっぱいついてる)を装着させてくる。
「くっ! 一体何をみせるつもりだ!(どきどき)」
「まずは『童貞に優しいギャル』からの誘惑じゃ。 まさひことやら、見事抗ってみせるがよい!」
「なん……だと……」
その設定を聞いて僕は絶句する。
なぜなら既に劣情を催しかけていたからだ。
更にいうならば、記憶喪失の僕が言うのもなんだが、僕は『幼馴染に劣情を催さない』ようにしていただけで、幼馴染以外には特に催してもよかったんじゃないのか?
違和感を感じて疑問を呈そうとした時だった。
「ま、まて!」
「ではVRスタートじゃ」
VRが起動されて僕の目の前に現実と区別のない光景が広がっていく。
「ぐ! ぐわあああ!」
叫びながら僕は実感する。
自分がギャル好きであったと。
正彦は絶望を与えても解決してくれそうな感じであんまり絶望感なくて書いてて楽です
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