寝取られには催眠アプリがよい
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ーーカラオケBOXにてーー
接点無さそうな稀少さんと入玲副会長だが仲は良いみたいだ。
入玲副会長がvtuberの女性アイドル系の振り付け混じりに歌うとスカートがひらひらと揺れる、が、ギリギリ見えない。
そんなあざと危なさも彼女の魅力なんだろうと思うと、やはり興味が尽きない。
稀少さんは男性vtuverの曲を意外とノリノリで歌っていた。
見た目がイバラっぽいし、本人の談から将棋一筋と言われていたのもあって世間ズレしてそうだがそういう訳でもないのかな。(イバラの世間ズレは正彦の知ったかのせいでもあります)
「舞ちゃん。 めっちゃ上手いじゃん結構カラオケとかくるの?」
「入玲さんとはちょくちょく行くかな。 彼女の祖父が地元の名士で私の祖父とも親交があるから、小さな頃から仲良くしてるんだ」
「そ、そう」
仲良く、というセリフには色々思うところがあるのかイク男は血の気の引いた顔になっている。
イク男、大丈夫だ。
俺はお前の味方だし、このサキュバスの彼氏役は立派に務めるつもりだ。
「ところで、 角田くんは入玲さんと付き合ってるというが、君からはあまりそういうオーラというか、 入玲さんに催す様子もないというか……本当に付き合っているのか?」
「ねぇー。 私はそう思ってるけどぉ角田くんの中では違うのかなぁ」
たくっどいつもこいつも催す催さないだの、どんな世界観だよ。(主に俺もだが)
俺の決意も虚しく、稀少さんには全く伝わっておらず、入玲副会長は質問をいかに面白い展開に持っていこうかという小悪魔っぷりを感じる。
イク男もダラダラと汗をかいている。
任せろ。(ウィンクドバチーン!)
「催す催さないでいえば、正直全く催さないな。 俺はこの人がマイクロビキニを着て行き倒れていても気づかずに素通りできる自信がある。 ちなみに俺はマイクロビキニとかそういうのがめちゃくちゃ好きなんですが、それで催さないって事は女性としては致命的で、 しかも自分で言うのもなんですが結構優しい性格してるので行き倒れとかしてたら普通に助けたりします。 それすらないって結構やばいと思います。」
「ガーン。 ひどいなぁー。 これでとスタイルには自信があるのにぃ」
そう言って目の下に指を当てて大袈裟に泣き真似をする副会長。
童貞特有の急な早口説明口調にドン引きしている稀少さんと、白目を剥きそうなイク男をよそに「ただ……」と前置きして俺は話し続ける。
「この人は俺の持っていない考え方をしていて、 それは興味が尽きない」
漫画で見た事がある。
嘘ってのは全部つくんじゃなくて一部本音を混ぜると信憑性が増すってのを。
実際催した事のない副会長に対して忖度劣情なんて表現してたら必ず綻んでいくだろうからな。
俺の言を受けて少しだけ納得した様子の稀少さん。
クスッと笑いながら上目使いに俺をみてくる副会長。
「……催す催さない以外の男女の関係か。 少し羨ましく思えるよ」
頬を赤らませながら、ちらとイク男に視線を送る。
ハタから見てもその視線には男女のそれが備わっている。
だのに、彼女はイク男を避けてしまっていて、こんな無茶苦茶な会合を開かなければ接点すらないらしい。
「俺からも質問いいですか?」
「構わないよ?」
聞いてみたくなってしまったが、イク男が大事にしている関係を俺から崩すわけにもいかないと思い、意図とは別の質問にした。
「稀少さんはマイクロビキニが似合うと思います。 今度対局の時に服の下でもいいんで着て頂けないでしょうか? そしたら『えっ!? 清楚なのに下はそんなにドスケベなの!?』みたいな感じでギャップ萌えできるんで」
「……君は質問という言葉の意味と、礼節というものを勉強しなおした方がいいな……」
縦線が入ってるんじゃないかと思うくらい周囲はドン引きだ。
イク男くらいは俺の妄想に付き合ってくれそうだと思ったが完全に白目を剥いて気絶している。
当初の予定である「なぜイク男を避けているのか?」というデリカシーに欠ける質問をしなかった事は良かったが、結局俺はデリカシーっていうか常識が欠けているようだった。
ーーファミレスにてーー
イク男と稀少さんを二人っきりにさせたいとの事で副会長と俺だけでファミレスに来ている。
イク男達と別れた時点で俺のミッションは完遂したと思ったのだがこの人は今だ俺を解放してくれないようだ。
「はい、あーん」
パスタをフォークに絡ませて俺の口元に運んでくる。
「自分で食べれますので」
「あ、そう。 だったら私は食べれないかなぁ。 角田くん『あーん』して食べさせてぇ」
フォークを俺に渡してくるので俺は観念する。
「しょうがないな……はい、あーん」(もぐもぐ)
「ふふっ。 角田くんが食べちゃうんだぁ。 関節キッスだね」
くすくすと顎に手を置いて上目使いをしてくる副会長。
わざと無愛想装って自分で食べたのはその方が収拾がつくと思ったから。
ホントは人が使ったフォークを使うのだってマナー的に嫌だけど対人関係には落とし所ってのが重要だからな。
嫌がってばかりで意固地になられても面倒だ。
「自分が嫌だって思ってる事を主張はしてこないのに、私に気を使って落とし所を見つけてくれるのは、分かりづらい優しさだねぇ」
「アンタはホントに人が好きなんだろうな。 よくよく色んな奴を観察してるもんな」
「そういう角田くんだって自分からは接触してこないくせに人を良く見てるよねぇ。 私の事嫌いなくせに、私以上に私の事見えてそう」
わかるわけないだろ。
俺にはアンタみたいな刹那的快楽主義は求めていない。
ただ人より劣情しやすいだけだ。(似て非なるもの)
が、せっかくタイミングがあったんだ話しはしてみたい。
「快楽主義ってのはどういう環境だと生まれやすいんだろうな」
「それって私の事ぉ? さすがに酷くない?」
「子供の頃からの友人に対しても偽りの彼氏彼女を作りだしてあの状況を楽しんでるんだ。 俺にはない感性だと思って素直に感心してるよ」
「あははっ。 バレたかぁ。 そ、 私は楽しければなんでもいいんだよねぇ。 それでぇ? 私みたいな人はどうやったら生まれると思ぅ?」
質問を質問で返される。
某マンガのキャラクターだったら『学校でそう教えてるのか?』とブチキレるところだが生憎と俺はそこまで短気じゃない。
自分で予測を立てている入玲知恵というキャラクター像に答え合わせをしてみたくなった。
「さっき祖父が地元の名士だって言われてたな。 結構裕福な家庭で不自由なく育ってきてるし、割と古風な教育も受けてるのかマナーとかも実はしっかりしてる。 服装は崩しちゃいるがそれが女子高生の今だからしかできないってのは悟ってるんだろうな。 今しか出来ない事があるのを理解してるから刹那的な快楽に身を任せるのも悪くないと考えてる」
「めっちゃ早口でしゃべるじゃん。 童貞の早口って奴だねぇ。 大半合ってるよぉ」
リンカとかに言われたら普通に傷つきそうな事を言われた気がするが、俺の言を受けてもくすくすと笑う余裕は崩さない。
だから、少し踏み込んでみたくなる。
「……あと、アンタとイバラとは確執がある」
笑顔は張り付いているが、タレ目な印象の副会長の目がほんの少し吊り上がる。
「確執と言っても副会長の一方的な執着だろうな。 恐らく名士だなんだの繋がりでイバラを見かける事があったんだろう。 そこそこ優秀で祖父から可愛がられていた副会長にとって一見完全無欠に見えるイバラは目の上のたんこぶって所か。 おまけにイバラの方はあの通り無口な奴だから副会長を気にもかけてないと思えた事が余計に腹立たしかったのかな」
「……童貞はしゃべりだすとホントに止まらないもんだねぇ」
相変わらず挑発的な笑みを浮かべてるけど、明らかにさっきより空気が冷えてる。
俺にしてもイバラの名前を出したのは訳がある。
「だからイバラと幼馴染の俺を彼氏役につけたりして優越感を持ちたいんだろうけど、 もしアンタがイバラを傷つけるなら絶対に許さない」
冷えた空気に正面から挑むようににらみつける。
少しばかり睨み合いが続いた後に副会長が肩をすくめる。
「ふふっ。 ちょっと前は私の名前も覚えてなかったのにねぇ。 イバラちゃんに聞いた訳でもないんでしょ?」
「アンタにとっては残念だろうが、そうだな」
「イバラちゃんは生まれながらのお姫様だもんねぇ。 私なんかに興味持ってくれるわけないかぁ」
「気持ちはなんとなく分からんでもないが、周囲の期待が大きい分イバラは勘違いされやすくて傷つきやすいんだ。 副会長が思ってるような冷血さはイバラにないんだけどな」
イバラは勘違いされやすいから人と話すのが苦手だ。
だから周囲には『高嶺の花』扱いされて余計に彼女を取り巻くイメージは見ようによっては『冷血』に見えただろう。
そう思うと余計に喋れなくなっていたけど、それもついこの間克服できたのかな。
「角田くんもやっぱり、イバラちゃんが好きなのぉ?」
100万回は色んな奴に聞かれた質問だ。
そして一億回だって『愛してる』と答えたい、俺にとっては簡単な質問のはずだ。
「……」
押し黙ってしまった。
イバラの真剣な思いを受けてしまったし、硝子やリンカの事を考えると簡単には答えられなくなっていた。(最初からもっと真剣に考えればよかったのでは?)
「嘘ぉ? この前みたいに家族だって即答しないって事は何かあったんだぁ」
この人も大概だな、人をよく見てる。
まだイク男にも相談できていない事をぴしゃりと言われて、さっきまでの勢いを失ってしまう。
その様子を見て副会長が貼り付けていた笑みを無くす。
「ズルいよ。 何でも持ってるくせに、 人がホントに欲しい物だって簡単に手に入れちゃうんだね。 今日一日のつもりで十分イバラちゃんを焚き付けれると思ったけど、 気が変わった」
言いながら冷めた表情でスマホを操作し続ける。
そしてパッと画面を俺に見せてくる。
『催眠アプリ』
「副会長? なんだそれは? エ◯漫画で見たことあるような気がしますが」
「エ◯漫画見たことあるなら効果は一緒だよぉ。 理事長たちが開発したみたいだけどね」
画面を見せられると頭がボーっとしてくる。
「『あーん』って食べさせて」
俺はパスタをフォークに絡ませて副会長様の口元に運ぶ。
「ふふっ。 いい子だねぇ。 食べ終わったら私を家まで送ってね」
「もちろんですよ」
当然だ。
副会長様を一人で帰すなんて彼氏としてやっちゃいけないだろう。
「私、甘やかされて育ったからお弁当とか作れないの、でも彼氏のお弁当とか憧れるなぁ」
「俺が作りますよ」
当然だ。
女性だけが料理を作るなんて全時代的だし、副会長様が喜んでくれるなら何でもする。
「後ね、 私寂しがり屋だから家に着くまでの間にキス最低でも10回はしてね」
「俺にできる事であれば」
当然、なのか?
なんかこの作品の方向性はそういう感じじゃなかった気がするが副会長様が言うんならそうなんだろう。
疑問を持てないまま俺はその後も副会長様の頼み事を引き受け続けた。
ーー入玲副会長の家にてーー
チュンチュン。
朝の日光がカーテンから覗き込んでいる。
いつもの俺のベッドとは違う場所で目覚めて、いい知れぬ不安感に包まれる。
なぜなら俺はパジャマを着ないと眠れないはずだ。(硝子と一緒に買ったシルクのやつ)
なのに、俺はパジャマを着ていない、というか何も着ていない。
そして隣を見ると。
「……おはよぉ」
同じくパジャマを着ていない。
というかこちらも硝子もびっくりの下着すら着ていない。
慌てて飛び起きると俺のシティー◯ンターがあらわになる。
「夕べは遅くまで頑張ったのに早起きだねぇ」
状況は全く掴めない。
俺は昨日ファミレスに行ったはずだ。
そこから……そこから?
も、もしかしてこれって……!?
賢明なる読者諸兄はお気づきであっただろうか。
この作品のタグに「寝取られ要素あり?」となっていたいた事は。
つまり……普通はイバラとかがNTRされた方がめっちゃ興奮するんだが。
どうやら寝取られるのは俺だったらしい。
テッテレー。
誰が得するんだこんな展開……
ちなみにロマンチストの俺は初めての相手と結婚すると心に決めている。
ーー劣情バトル戦績ーー
vs入玲知恵 0勝1敗
敗因 事後った?
構想からここまで長かったです。
まだまだ続きますのでお付き合い頂ければと思います。
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