表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/105

生まれ変わり

 皆さんは生まれ変わりを信じますか?


 私は信じます。


 と言うより、私自身が生まれ変わりを「記憶」しているのです。


 私は30年程前にある男に乱暴された挙句、絞殺されました。


 その記憶が今の私の脳に鮮明に残っているのです。


 男の名前も年齢もわかっていたので、インターネットで検索し、当時の記事を読みました。


 そして、男が仮出所している事も突き止めました。


 私は会社に長期休暇願いを出し、男がいる町に行きました。


 復讐してやろうと思ったのです。


 前世の私の仇を討つ。


 バカな考えかも知れませんが、その時の私にはそれが全てでした。


 私は男の家を見つけ、男が帰るのを待ちました。


 夜も更け、人通りもまばらになった頃、男は姿を見せました。


 男が家の鍵を開け、中に入った瞬間を狙い、私は男の背中に突進しました。


「ぐ……」


 私は果物ナイフで男の背中を刺しました。


 男は何が起こったのかわからない顔で、私を見ました。


「だ、誰だ?」


「貴方に乱暴されて殺された女の生まれ変わりよ! 仇を討たせてもらうわ!」


 私は積年の恨みを晴らすように叫びました。


 男は驚愕していました。


「30年も前の仇、だと……?」


「そうよ!」


 何故か男はニヤリとしました。そして、血にむせ返りながら言いました。


「俺はその更に30年前にお前の前世の女のそのまた前世の女に殺された男の生まれ変わりさ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ