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グロテスクな夜

 その日は熱帯夜となった。


 気怠い1日が終わり、辺りが闇に支配され始めた。 


 そんな夜には、突飛な行動をとる者も多いかも知れない。




 その男は鉈のような出刃包丁を右手で持ち、死体の前に仁王立ちしていた。


 死体は全裸で、目を背けたくなるような姿をしていた。


 男はニヤリとした。


「うおおおっ!」


 出刃包丁が振り下ろされ、死体の首が切り落とされた。


 男は無造作にその首を放り投げ、ゴミ箱に捨ててしまった。


「へへへ」


 男は目を爛々と輝かせ、舌なめずりした。


「ふおおっ!」


 次に男は包丁を寝かせ、バシッと叩きつけた。


 グシャッ。


 何かが潰れた音がした。


 赤い液体が飛び散る。包丁に液体がまとわりつく。


「ヒヒヒ」


 さらに男は死体の両脚を無理矢理広げた。


 何をするつもりなのか?


 ああ、そんな。


 男は強引にねじ込んだ。


 異常だ。もはや人間の所業ではないと思えてしまう。


 しかし男はやめない。


 さらにねじ込む。


 死体は悲鳴もあげる事が出来ない。


 男はやがて満足そうに頷き、開いていた脚を戻した。


 こんな行為が許されるのだろうか?


 もう私は堪えられない。


 男を止めなくては。


 このまま黙って見ているわけにはいかない。


「もう我慢できないぞ」


 私は意を決して叫んだ。


 男は手を休めて私を睨んだ。


「何!?」


 殺される? 


 一瞬怯んだ。しかしここで引き下がる訳にはいかない。


「お前にこれ以上好きにはさせない。その包丁をよこせ」


「何だと!?」


 男は包丁を持ったままで私に近づく。


 私は冷や汗を垂らしながら、思い切って言った。


「お前に任せていると、折角の鳥の丸焼きが台無しだ。私に代われ」

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