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告白
気の小さい私は、好きな人に告白できないでいた。
イジイジ考え、オロオロ歩き回った。
ウロウロした挙句、電柱にぶつかった。
ボンヤリして、側溝に落ちた。
同じ空間にその人がいる。
そう思うだけでドキドキした。
仲間にも話していない。
言えるはずもない。
止められるに決まっているから。
本当に秘密の片思い。
我ながら「キモい」と思った。
あの人の事を考えると、夜も眠れない。
あの人の声を聞くだけで幸せを感じてしまう。
重症だと思った。
末期症状だとも思った。
そんな私に酔っている自分がいる。
片思いでいいから、などと思う私がいる。
本当にそれでいいの?
自問した。
悩んだ。
でもいつまで経っても答えは出なかった。
そんなある日、朝のテレビの占いで、
「今日はハッピーな事がある日」
と言っていた。
些細なきっかけで未来が変わる事がある。
妙なところで前向きな私は、決心した。
「前からあなたの事が好きでした。付き合って下さい」
あの人の前に回りこみ、思い切って告白した。
でも無視された。
わかっていた。こうなる事は。
絶対に諦めないぞ。
私達の間にある壁は高くて厚い。
でも必ず乗り越えてみせる。
犬が人間に恋しちゃいけない決まりなんてないんだから!




