表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【電子書籍化】婚約破棄に乗り換え、上等です。私は名前を変えて隣国へ行きますね  作者: ルーシャオ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
28/32

第二十八話 俺がエミーを守らないといけなかったんだ

 アレクの母エステルは、少女のようにはしゃいでいました。


「あらやだ、アレクのお嫁さんがこんなにしっかりした子だなんて! 今日はお祝いよ!」

「母上、はしゃがないでください」


 そんなことを聞く人ではないようで、アレクの母エステルはどこかへ走っていってしまいました。使用人たちが慌てて追いかけています。多分、お祝いのための準備をしようとしているのでしょう、そっとしておくしかありません。


 やっと落ち着いた玄関で、アレクは私を諌めました。


「エミー、冷や冷やするから、ああいうことはやめてくれ。いつ首が飛んでもおかしくない」

「この機会を逃すと色々と邪魔が入ると思ったから、つい。不快にさせて、ごめんなさい」


 私は、だんだん冷静になってきて、アレクに申し訳ない気持ちになってきました。私の独断でやってしまったことは、私が責任を取れることではなかった、と思います。もし皇帝の機嫌を大きく損ねれば、本当にアレクの言うとおり首が飛んでいたかもしれないのです。


 でも、外国人で市民権がないことはいずれは言わなくてはならなかったでしょうし、それに——あの皇帝に父親らしいことをさせなければならない、とも思いました。アレクが皇帝を父と認めると言ったのですから、皇帝にも父らしくなってもらわなくては困ります。


 そんな思惑は、アレクに言う必要はありません。


 アレクは、頭を横に振ります。


「違う、俺がエミーを守らないといけなかったんだ。情けない。すまなかった」


 私がそんなことを言わなくていいと言う前に、アレクに遮られました。それ以上、私がやらなければならなかったと主張すればアレクを余計に情けなくさせるだけだ、と私は気付き、口を閉ざします。


「でも、エミーがあんなに堂々と、皇帝に進言までできるなんて想像もできなかった。俺はまだまだお前のことを知らないようだ」


 ちょっとおどけて、アレクはそう言いました。私も自分があんなに舌が回るなんて思ってもいませんでした。びっくりです。


「それよりも、いいのですか? アレクのお母様にちゃんとご挨拶をしないと」

「ああ、捕まったら言うよ。どうせ走り回って捕まらないから」


 アレクはしょうがない、とばかりの反応です。マイペースというか自己主張が強いというか、そういうところはバルクォーツ女侯爵の血筋ですね。


 運び込まれてきた荷物を、使用人たちが部屋へ持っていきます。そのあとについて、侍女に案内されて泊まる部屋を見に行こうとして、アレクに呼び止められました。


「エミー」


 真剣な顔で、アレクはこう告げます。


「今晩、話がある。おそらく、お前が聞きたくない話だ。聞いてくれるか」


 私は足を止めました。アレクの顔は、真剣そのものです。


「ワグノリス王国のこと、テイト公爵家とアンカーソン伯爵家のこと、そして事故のことだ」


 それらの話を、いえ、それらの話だから、私は聞かなければなりません。


 私は、了承しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ